ノーシードの宇部鴻城が“優勝候補筆頭”下関国際に逆転勝ち 田中主将が4安打4打点

[ 2021年7月19日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権山口大会2回戦   宇部鴻城11―6下関国際 ( 2021年7月18日    下関 )

<下関国際・宇部鴻城>7回に勝ち越し1号ソロを放つなど4安打4打点と大当たりの宇部鴻城・田中
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 第103回全国高校野球選手権(8月9日から17日間、甲子園)の地方大会が18日、各地であり、山口大会では、ノーシードの19年代表校・宇部鴻城が、右腕・天野大空(たく、3年)の完投と主将・田中翔(同)の2本塁打を含む13安打で、春夏連続出場を狙ったシード校の下関国際に11―6と逆転勝ちした。

 2回戦屈指の好カードを宇部鴻城が接戦の末に制した。今大会こそノーシードだが、宇部鴻城には19年夏の代表校の意地があった。ソロ本塁打を含め4打数4安打4打点の主将、田中は「春の大会(4月)に初戦で負け一番下からのスタートになった。だから挑戦者として思い切りぶつかると決めた」。夏に懸けるナインの熱い思いを代弁した。

 優勝候補で第1シードの下関国際に先制された。だが3回に先発の天野が「粘って塁に出ようという気持ちだった。風に助けられた」と外角球を逆らわず右に運び反撃のソロ。さらに犠飛で同点に追いつく。だが4回に勝ち越すと6回には再逆転される息もつかせぬ接戦が続いた。

 しかし7回、「1、2打席は変化球を打っていたのでまっすぐにヤマを張った」と打撃好調の田中が初球を狙い撃ち。右越えに勝ち越し弾を突き刺した。田中の兄・力(りき)さんは同校が19年夏の甲子園に出場した際の主将兼一塁手だ。現在は日体大野球部の2年。田中が春先にスイングを崩すと動画を通して指導してくれた。「左肩が落ちる悪いクセを指摘された。意識したら打撃がよくなった」。昨秋の4番からこの夏は8番に下がったが、この日の“覚醒”に尾崎公彦監督は「頼れる主将?初めてそう思いました」とおどけながら活躍を称えた。

 2本塁打など8長打を含む13安打の猛攻に2つのスクイズもからめ、投げては天野が11安打を浴びながら粘りの投球で逃げ切った。2大会連続の夏制覇へ。ノーシードからの進撃が始まった。(中島 泉)

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2021年7月19日のニュース