侍ジャパン稲葉監督 悲願金メダルへ全勝封印「精神的な部分で選手を少しでも楽にさせてあげたい」

[ 2021年7月19日 06:00 ]

悲願の金メダル獲得へ、気合の入った表情を見せる稲葉監督(撮影・尾崎 有希)
Photo By スポニチ

 東京五輪に出場する侍ジャパンの強化合宿が19日、仙台市内でスタートする。初戦は開幕戦となる28日のドミニカ共和国戦(福島)で、決勝(横浜)は8月7日。勝負を前に、稲葉篤紀監督(48)がスポニチ本紙のインタビューに応じた。4年に及ぶ代表監督生活を経て強く深まったのは、レベルの高い侍戦士への信頼。挑戦者として挑む金メダル獲得への思いを語った。(取材・構成 後藤 茂樹)

 ――08年北京五輪は星野監督が「全勝優勝」を掲げ、結果的に4位。6月16日の内定選手発表会見以後、あえて「全勝優勝」という言葉は封印してきた。
 「北京での“全勝優勝”は、私の中で凄くプレッシャーがあった。勝たなきゃいけない苦しさ。もちろん国際大会の中で、絶対に勝たなきゃいけない試合は必ず出てくる。でもそうではなく、最後に優勝すれば良いじゃん、という。精神的な部分で選手を少しでも楽にさせてあげたい、という私の願いですね」

 ――東京五輪は変則的ノックアウト方式を含むトーナメント。無敗で5連勝でも優勝、5勝3敗でも優勝の可能性がある。
 「負けてもチャンスはあるよ、と。プロのシーズンならば、みんな50敗はするんですよ。負けながら優勝していく。日本シリーズだって3敗できるんです。こういうルールである以上は、別に一つの負けにそうショックを受けなくていい」

 ――プレミア12では他競技を含めた国際大会と違い、全員で国歌をしっかりと斉唱する姿が印象的だった。
 「今回も国歌はみんなで歌おうと伝えようと思っています。他に堅苦しいことはあまり言うつもりはなくて、選手たちはジャパンとはどういうところなのか十分に分かってくれていると思います」

 ――内定選手発表後に会沢、中川、菅野と3人が辞退。特に千賀、伊藤の追加招集は時間も要した。
 「中川、菅野が辞退し、本当にどういう選手が必要なのか考えた。単純に中継ぎを埋めれば良いという考えではなく、全体のバランスを見ながら。千賀も伊藤も、先発もリリーフも両方やっていける。トータルで決めた。千賀は1軍復帰戦は打たれたが、修正点は本人も分かっていると思う」

 ――抑え投手の起用法については?
 「最初から決めずにというのは変わらずです。大会を進める中で何となく投げるポジションが決まっていくと思う。そういう形になっていければと思う」

 ――チームで抑えの栗林、平良、実績のある山崎がいる。千賀や山本という選択肢も?
 「抑えの1イニングは誰でもできるポジションではない。千賀、山本の2人をというプランは考えてないが、決勝になれば総動員になっていくと思う。なるべくそういう形を取らなくていいような状態に持っていきたい」

 ――打順は核は固定したいか、日替わり?
 「基本的には日替わりで、対戦国が毎日替わりますから。プレミア12は4番を誠也(鈴木)に任せたが、今は4番を打つ選手が3番、2番とチームでいろんな打順を打つ。あまり4番、と固定せずに。このメンバーですから、どうやったら打線になるかを考えたい」

 ――緊急事態宣言下での五輪となる。
 「このコロナ下で最善を尽くしてくださっている医療従事者、ソーシャルワーカーの皆さまに敬意と感謝をしっかり持っていこうと、選手にまず伝えようと思います。よく勇気や感動を、と言いますけど、それは見ている方たちがこの野球を見てどう感じるかどうか。我々は挑戦者なので、全力で立ち向かっていく姿を見せられたら」 

 ――選手たちに何よりも求めたいものは?
 「悔いなくやってもらえればいい。重圧は自然とかかる。それ以上のものをかけようとは思わない。不安なくやれることを目いっぱいやる。勝ち負けはこっちの責任、私の責任なので。選手が背負うことはない、思い切りやってくれればいい」

続きを表示

「始球式」特集記事

「稲葉篤紀」特集記事

2021年7月19日のニュース