広島・誠也弾で連敗脱出 5戦ぶり先発復帰「早く仕事をしないとヤバい」猛打賞に好守連発で大暴れ

[ 2021年6月27日 05:30 ]

セ・リーグ   広島11ー5中日 ( 2021年6月26日    マツダ )

<広・中>5回無死、左越えに本塁打を放つ鈴木誠(撮影・成瀬 徹)
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 広島・鈴木誠也外野手(26)が26日の中日戦で待望の強打を披露した。新型コロナウイルスのワクチン接種による副反応から5試合ぶりに先発復帰。5回に左翼へ9号ソロを運ぶなど3安打2打点の活躍だ。投げては大道温貴投手(22)が6回途中5失点ながら、自ら決勝2点二塁打を放つなどして先発初星となる3勝目。今季最多の18安打で大勝したチームは連敗を5で止めた。

 それでこそ侍ジャパンの4番筆頭候補だ。新型コロナのワクチン接種による副反応から5試合ぶりに先発復帰し、いきなり一発を含む3安打2打点の固め打ち。チームの連敗ストップに攻守で貢献した鈴木誠は、結果を冗談めかしつつ喜んだ。

 「長い間休ませてもらっていたので早く仕事をしないとヤバいですから。(本塁打は)まずは甘い球を仕留めることができました」

 9戦33打席ぶりの9号は5点優勢の5回。先頭で真ん中高め直球を強振すると、打球は左翼3階コンコースへ着弾した。2点差に迫られた6回、2死三塁では鮮やかな適時打を左前へ。この日3本目の安打は、試合の流れを再び引き寄せる価値ある一打だった。

 「追い上げられた次の回。もう1点取れば楽になると思っていたので良かったです」

 東京五輪の野球日本代表。稲葉監督は4番筆頭候補として絶大な信頼を寄せるものの、16日の内定発表の際に発したコメントに、鈴木誠の今季の状態と心情がにじみ出ていた。

 「4番を打てる打者はたくさんいる。シーズンで何とか結果を出し、試合に出られるように頑張りたい」

 開幕前に体調不良があった上に、新型コロナ感染に翻弄(ほんろう)される激動のシーズン。言い訳を好まない性格だが、心身への影響は少なからず見てとれる。この日の3安打猛打賞は、4安打した4月8日のヤクルト戦以来今季2度目。数字は何より雄弁だ。

 「ずっと(成績が)良ければいいけど、なかなか難しい。うまくいかない時の経験はこの先に生きる。そう信じてやっています」

 初回2死一、二塁では、堂上の右前打で三塁を狙う一走・ビシエドをレーザービームで刺す好守。間一髪アウトになったものの、左前適時打を放った6回には果敢に二盗を試みた。低迷脱出へ、万全でなくても勝利を希求する姿勢は不変だ。

 「負けていい試合はない。負けて楽しい人もいない。明日また、しっかり頑張れればいいかなと思います」

 一発を含む3安打で「復活、復調」と騒ぐのは早すぎる。誇り高き侍の一員。誰に言われるまでもなく、鈴木誠本人が自覚する。(江尾 卓也)

 ▼広島・佐々岡監督(鈴木誠について)2試合はベンチ待機、2試合で代打起用し、今日に合わせてほしいと伝えた中でのスタメン。体は万全でない中で、本当にいいところで打ってくれたと思う。

 【広島・鈴木誠の“コロナ禍”経過】

 ★5月20日 球団で実施されたPCR検査で陽性判定。
 ★21日 特例2021の対象で登録抹消。
 ★31日 隔離期間が終了。自主練習で活動再開。
 ★6月2日 ウエスタン中日戦で実戦復帰。3日同戦との2試合で4打数1安打。
 ★6日 出場選手登録され、楽天戦に3番右翼で出場。5打数無安打。
 ★16日 東京五輪の侍ジャパン内定メンバーに選出。
 ★21日 新型コロナウイルスのワクチン接種。
 ★22日 ワクチン接種の副反応とみられる体調不良でヤクルト戦を欠場。
 ★23日 特例2021の対象で登録抹消。
 ★24日 出場選手再登録。ヤクルト戦に代打で出場して四球。
 ★26日 中日戦4番右翼で5試合ぶりの先発。

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