大谷 特大「キャットウオーク」弾!先頭打者本塁打で130年ぶり快挙

[ 2021年6月27日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス3―4レイズ ( 2021年6月25日    セントピーターズバーグ )

先頭打者本塁打となる24号ソロを放つエンゼルス・大谷
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 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が25日(日本時間26日)、レイズ戦に「1番・DH」で出場し、初回にメジャー4年目で初の先頭打者本塁打となる24号ソロを放った。3試合ぶりで右翼席後方の看板を越える特大弾。球団によると、同一シーズンで先頭打者本塁打と投手で勝利をマークしたのは1891年のジミー・ライアン(カブス)とキッド・マッデン(オリオールズ)以来、130年ぶりの快挙となった。

 大谷のプロ初の先頭打者弾は5年前の日本ハム時代。「1番・投手」で打ち、伝説として語り継がれる。メジャー初の先頭打者弾も衝撃を与えた。右翼席後方の看板を越え、地上59フィート(約18メートル)の高さにある通称「キャットウオーク」に運んだ。

 レイズの本拠トロピカーナ・フィールド名物の作業用通路。飛距離は自身2番目の453フィート(約138メートル)だったが、06~14年にレイズを率いたジョー・マドン監督は「飛距離は間違い。もっと飛んでいる。試合でも打撃練習でも見たことがない」と言うほどだ。

 故障離脱したアップトンに代わるメジャー3度目の1番起用。初回、プレーボールから3球目だった。右腕キトレッジが外角に投じたチェンジアップに右足を踏み込み、強振した。打球速度116・1マイル(約187キロ)は、動作解析システム「スタットキャスト」が導入された15年以降、メジャー最速の先頭打者弾。月間本塁打は19年6月に並ぶ自身最多の9本目となり、この日、リーグトップの25号を放ったゲレロ(ブルージェイズ)を1本差で追いかける。

 トロピカーナ・フィールドはメジャーでは珍しい非開閉式のドーム球場。リング状のキャットウオークは二塁上空の中心部から外側に広がるように4つ配置され、それぞれ直撃した場合のグラウンドルールも異なる。大谷の打球は最も外側の「D―リング」に当たった。今季初、レイズの本拠となって24年目で通算39本目のレア弾。今季は大リーグ最古の球場フェンウェイ・パークでグリーンモンスター、ペスキー・ポールという2つの「球場名物」を攻略する一発も放った。19年に日本選手初のサイクル安打を達成した思い出の球場でまたもインパクトを残した。

 1点を追う3回無死二塁では一塁線へのバント安打で好機を広げ、得点につなげた。初出場を目指す7月の球宴で同じア・リーグの指揮を執るレイズのケビン・キャッシュ監督も「凄い才能を持った選手であることは分かっていたが、今日はさまざまな方法で見せつけられた」と脱帽した。(笹田 幸嗣通信員)

 ▽同一シーズン先頭打者本塁打&白星 1891年に達成したジミー・ライアン(カブス)は通算2512安打、打率・308を誇る左投げ右打ちの外野手。投手としても24試合で6勝1敗、防御率3・62だった。同年に達成したキッド・マッデン(オリオールズ)は先発左腕で通算54勝50敗、防御率3・92。野手としても通算133試合に出場し、打率・245。当時は複数ポジションで出場する選手が珍しくなかった。

 【大谷の過去の球場“名物”攻略】
 ☆ロックパイル弾 本拠エンゼルスタジアムの中堅後方に位置する人工の岩山「ロックパイル」の麓にメジャー1年目から何度も打ち込み、「好調のバロメーター」と言われる。

 ☆グリーンモンスター越え弾 今年5月14日にレッドソックスの本拠フェンウェイ・パークで行われた同戦で左翼にある高さ約11・3メートルの巨大フェンス「グリーンモンスター」を越える11号ソロを放った。

 ☆ペスキー・ポール弾 5月16日の同じフェンウェイ・パークでのレ軍戦。1点を追う9回2死一塁で本塁から92メートルの位置にある右翼ポール「ペスキー・ポール」を巻く逆転の12号2ランを放った。非力だったレ軍の名選手ジョニー・ペスキーが右翼ポール際に本塁打を打ち込んでいたことが命名の由来。

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