ソフトバンク 11度目の1点差負け、飛べない鷹打線の低空飛行…月間チーム打率12球団最低の2割7厘

[ 2021年6月27日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク2―3楽天 ( 2021年6月26日    楽天生命 )

<楽・ソ>4回無死、右越えソロ本塁打を放った栗原(右)はチームメートに出迎えられる(撮影・尾崎 有希)
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 ソフトバンクが楽天に競り負けた。栗原陵矢捕手(24)の右越え9号ソロで1点差に詰め寄ったが、散発の5安打では苦しい。1点差負けは今季11度目で、6月だけでも5度目になった。

 打線が接戦であと1本を出せない場面が目立つ。6月の負け越しも決まった。6月のチーム打率は12球団で最低の・207と低迷が続いている。

 2―3の9回2死一、三塁。体の張りで今季初めてスタメンを外れ、途中出場した中村晃が空振り三振。杜(もり)の都に駆けつけた鷹党からは深いため息が漏れた。工藤監督は「敗戦の責任は将にあり。それは僕自身にあると思っている。我慢しないといけない時は我慢しないといけない」と全ての責任を背負った。

 相手のアクシデントにつけ込めなかった。初回、プロ初先発の楽天・高田が真砂に危険球を投じ16球で退場。緊急登板となった西口を攻めたい打線は1―3の4回に、栗原が「浮いてきたボールに対応し、捉えることができた」と9号ソロ。1点差に詰め寄ったが、西口から放った安打はこの1本だけ。プロ初勝利を献上した。

 打線をテコ入れすべく、22歳・佐藤直をプロ初スタメンに抜てき。1番打者には22歳・三森を8試合連続で据えた。24歳・谷川原も3試合ぶりに先発起用。しかし、期待の若鷹3人で安打は8回に三森が放った1本のみだった。指揮官は「若い子を出して打てないのは、こちらに責任がある」とかばった。矛先は経験豊富な中堅、ベテラン陣に向く。

 今季は柳田、栗原が中軸として打線を引っ張る形だ。工藤監督は「栗(原)に全てを背負わすのはどうなのかなと。今までレギュラーだった人間が背負っていかないといけない部分はある」とはっぱをかけた。打率・250を下回る松田、中村晃、甲斐の奮起なくして上昇気流は生まれない。

 貧打は数字にも表れている。26日現在で、6月の月間打率・207は12球団ワースト。4月の・262、5月の・271から急降下した。

 同じく12球団最低打率に沈んだ交流戦(5月25日~6月13日)でさえ・233打っていた。現在はそれよりも低空を飛行している。

 6月のチーム打率1位はDeNAの・298。パ・リーグで最も良い楽天が12球団で3位の・262。同11位の日本ハムでさえ・238ある。ソフトバンクの不振は明らかだ。

 負傷離脱のグラシアル、デスパイネの穴が埋まらず、下降曲線は続く。連日の5安打で2連敗の内容に「ケガ人が、という言い訳はできない。この中でベストを尽くしてやっていかなきゃいけない」と指揮官。苦悩の日々は続く。

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