米マイナーでルール変更 判定は自動 ベースの大きさは拡大 けん制は2回まで 

[ 2021年3月12日 08:33 ]

開幕を待つレンジャーズの本拠地「グローブ・ライフ・フィールド」(AP)
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 大リーグ機構(MLB)は11日、今季のマイナー・リーグにおけるルールとシステムの変更を発表。将来的にはメジャーでの導入をも前提にした実験的な試みで、1Aサウスイースト・リーグではストライクとボールの自動判定システムが採用されることになった。自動判定は弾道測定のレーダーシステム「TrackMan」の技術を使ってすでに独立リーグで行われていたが、MLBでもこれを実現するために本格的に動きだした形。ただし独立リーグでは落ちる球に関しては選手からも不満の声があげられており、まだ改善すべき余地を残している。

 AP通信によれば、このほか各レベルのマイナーで「インプレーと守備機会、走塁機会の増加と選手のケガの削減」を目的にした新たな試みを導入。3Aでは現在15インチ×15インチ(38センチ)のベース(1~3塁)を18インチ×18インチ(46センチ)に拡大することになった。主目的は接触プレーの減少。ただし塁間がわずかに縮まることもあって、選手による盗塁への意欲増進という副産物をもたらすのではないかと見られている。

 また2Aでは内野のダート(土)の部分に4人がいることが守備の条件となり、二塁ベースを中心にしてどちらかに3人以上守ることは禁止。これは引っ張り専門の打者が打席に立ったときに左右のどちからに内野手が集中し、うち1人が外野の浅い部分まで下がってしまうシフトの変更を不可能にするルールで、メジャーでも“定番”となっている守備位置変更をさせないことによってヒットの増産を狙う意図が見え隠れしている。

 さらに自動判定を導入する1Aの各クラスでは、「左投手が一塁にけん制球を投げる場合でもプレートから完全に軸足を外すことが必要」、「走者が1人の場合には打者1人との対戦時、けん制球は2回まで。3回投げても良いがセーフだった場合にはボーク扱い」といった部分のルールなども改正。これは試合時間削減と盗塁機会の増加を目的にしているもので、マイナーでの変更内容の中では最もメジャーで採用される可能性が高いのではという見方も出てきている。

 MLB実務部門を統括しているマイケル・ヒル氏は「これらの試みはルールの変更を活性化させるための重要なステップ。ファンの声に耳を傾けたい」とコメント。マイナーの試合を観戦したファンの反応がメジャーにも影響を与えることになりそうだ。

 なおマイナーリーグは新型コロナウイルスの感染拡大に伴って昨年はすべて中止。チームの総数は160から120に削減した今季は5月の第1週をメドに開幕する運びになっている。

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