逆襲へ最高の予行演習を 阪神・藤浪が17年以来未勝利の甲子園で12日先発「いいイメージは付けたい」

[ 2021年3月12日 05:30 ]

キャッチボールをする阪神・藤浪(撮影・平嶋 理子)
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 逆襲の1年に聖地での躍動は不可欠だ。12日の西武戦に先発する阪神・藤浪の言葉には、そんな決意が込められていた。

 「(甲子園に)いいイメージは付けたいですね。幸先よくシーズンを始めるために、いい形、いいイメージで入れるに越したことはないので。ピシッと抑えて、いいイメージで入っていけたら」

 開幕投手に決まって初めての実戦は本拠地のマウンドだ。勝手知ったる“庭”のはずが、最後に白星を挙げたのは17年4月27日のDeNA戦。先発では実に15試合にもわたって勝利がない。「勝ってないというのもありますけど、そもそも登板自体が多くなかったので」。オープン戦とはいえ、先発としてフル回転を期す1年に弾みをつける格好の機会が来た。

 闘志をかき立てる存在もいる。大阪桐蔭の1学年後輩で、バッテリーを組み春夏連覇を達成した西武・森だ。オープン戦、球宴含め過去3度、18年6月3日以来の対戦には静かにうなずいた。

 「森を意識するほど余裕のある展開になるか分からないですし、余裕があれば、いい勝負ができれば…」。報道陣にこう発したタイミングで球場入りした森が背中をタッチし、手を挙げて応じた。「すごいタイミングですけど」と笑い、「余裕があれば意識して良いものをお見せできれば」と“魅せるアウト”を思い描いた。

 ブルペンでの投球練習などで最終調整。今春オープン戦では初先発で、「まず自分のテンポ、タイミングで投球できることが第一。自分のやりたいことがしっかりできるかが大事」とテーマを掲げた。

 開幕投手の大役は2週間後に迫る。「いまだ戸惑いだったりはあるんですけど…正直なところ。でも、決まった以上やるしかないですし。そこに向けて、いい調整できるように。そういう登板にできたら」。自身を勢いづけるには十分すぎる舞台が用意された。(遠藤 礼)

 【藤浪の“最後の甲子園白星”からの甲子園登板】

 ▽17年4月27日DeNA戦 16日にインフルエンザ発症、登板予定だった前日26日も雨でスライド登板となった中、5回5安打2失点で勝利投手。

 ▽18年4月20日巨人戦 5回を投げ9安打6四球で6失点KO。課題の制球難を再び露呈し、翌21日に登録抹消。

 ▽19年8月1日中日戦 シーズン初登板。4回1/3を6四球、2死球と苦しみながら1失点。翌2日に登録抹消され、そのままシーズン終了。

 ▽20年9月5日巨人戦 試合前の豪雨で62分遅れの開始。3回を終えて7失点も、チームが13連戦中のため続投。4回2/3を投げ9安打6四球で球団ワーストの11失点。

 ▽同10月19日ヤクルト戦 救援転向3戦目。7回2死、松本友への2球目に球団最速記録を1キロ更新する162キロを計測。

 ▽同10月28日中日戦 救援投手のみで1試合をつなぐブルペンデーで先発。4回2安打1失点(自責0)と好投。

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