元八重山商工の金城長靖32歳―ドラフトの悔いと沖縄電力で得た幸せ―

[ 2021年3月12日 23:13 ]

<日本新薬・沖縄電力>初回1死二塁、沖縄電力・金城長が適時二塁打を放つ(撮影・村上 大輔)
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 社会人野球の第75回東京スポニチ大会は12日、決勝が行われ、三菱自動車倉敷オーシャンズが初優勝。予選Dブロックの沖縄電力は2勝1敗で予選敗退となったが、15年目を迎える金城長靖内野手(32=八重山商工)は3試合で3安打2打点と4番としてチームをけん引した。

 大田スタジアムで10日に行われた日本新薬戦で金城は2安打1打点の活躍を見せ、勝利チームの殊勲選手として会見場に来た。15年目を迎えるベテランは「気づいたら15年。できるところまで頑張りたい」と静かに意気込みを語った。

 甲子園での活躍が印象深い。ロッテの大嶺祐太らと06年春、夏の甲子園に出場。スイッチから通算5試合で3本塁打を放った打撃と、救援でマウンドに上がる140キロ超えの二刀流として強烈なインパクトを残した。

 同年のドラフト候補に挙がったが、プロ志望届は提出しなかった。沖縄電力に入社して15年を迎える。どうしてもぶつけたい質問があった。

 「高校時代にプロ志望届を出さなかった後悔はあるか」。金城は表情を変えずに「4、5年目までは(出しておけばと)思うことがあった」と言う。当時のプレーを「自分の実力をどうにか見てほしいとやっていて、結果を気にしすぎていた」と振り返る。

 年齢を重ね「それではいけないな」と考えを改めた。若手にアドバイスを送るなどチームのためにプレーするようになると、結果もついてきた。勝負強い打撃で32歳となった今も4番を張り続けている。

 プレースタイルも変わった。「高校の時は本塁打しか狙っていなかった」というが、レベルが高く、木製バットを使用する社会人では「自分は飛ばす能力もないし、打率(を残そう)と思った」

 24歳で結婚し、3人の子宝に恵まれ、長女は9歳になる。休みの日は家族で野球をする日々を送り「今が良いという気持ち。自分の選択に後悔はない」

 夢を問うと「最近出てないので、都市対抗に出たいな」。かつて甲子園で見せたギラギラ光る目ではなく、父としての優しい目で笑った。(柳内 遼平)

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