楽天の育成左腕・渡辺佑がシート打撃登板 サイド転向で下克上狙う

[ 2021年2月10日 05:30 ]

シート打撃に登板した渡辺佑(撮影・白鳥 佳樹)      
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 楽天の「秘密兵器」がベールを脱いだ。育成選手で唯一、1軍キャンプに参加している渡辺佑が、第2クール最終日のシート打撃に登板。上手投げから横手投げにフルモデルチェンジした左腕は、昨季の本塁打王の浅村にも堂々と立ち向かった。

 フルカウントからの7球目。外角直球で空振り三振を奪った。「スイングが凄かったけど1軍ではああいう打者と対戦する。臆せず投げていく」。田中和は新球のシンカーで空振り三振に仕留めた。打者5人に23球を投げ、1安打1四球2奪三振。最速は139キロで「自分の感覚で投げられた」とうなずいた。

 入団3年目を終えた昨年11月に戦力外通告を受けた。ただ球団からはサイドスロー転向を条件に育成再契約を打診された。「迷いはなかった」と渡辺佑。段階的に肘の位置を下げ、球種も見直した。チェンジアップを捨ててツーシームをシンカーに改良。1月の自主トレ期間は元同僚で横手左腕の巨人・高梨に弟子入りするなど、わずか3カ月で現在のスタイルを確立した。

 昨秋のフェニックス・リーグでの投球を目に留め1軍キャンプに抜てきした石井監督は「打者が打たされてしまう投手で右打者にゴロを打たせることができる。支配下も視野に入れている」と早期の支配下復帰を示唆した。

 リリーフ左腕の不足は近年の悩み。コロナ下で新外国人のコンリーの来日時期も不透明で食い込む余地は十分にある。昨年は2月中に育成選手だった下妻が支配下に昇格しただけに「昨年の例は励みになる」と目を輝かせる。「みちのくの佑ちゃん」は、変則左腕として生きる道を探る。(重光 晋太郎)

 ◆渡辺 佑樹(わたなべ・ゆうき)1995年(平7)11月8日生まれ、山梨県富士吉田市出身の25歳。下吉田東小2年から野球を始める。富士学苑から横浜商大を経て、17年ドラフト4位で楽天入団。1軍登板は19年7月25日の西武戦のみで、4番手で救援し1回無失点。昨季11月5日に戦力外通告を受け、12月8日に育成契約を結んだ。1メートル83、85キロ。左投げ左打ち。

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2021年2月10日のニュース