巨人・菅野 21年はプレート踏む位置を一塁側に変えてツーシームに角度

[ 2021年2月10日 05:30 ]

一塁側のプレートを踏んで投げる菅野 (撮影・森沢裕)
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 右足に目線をやり、足場をならす。ブルペンで今季初めて捕手を座らせた巨人・菅野の軸足はプレートの一塁側にかかっていた。「ようやく始まったなという感覚」。絶対的なエースが昨季は真ん中だった軸足の位置を変え、2021年のスタートを切った。

 「プレートの位置も今年は一塁側に変えて。まだ試している段階なので確定的なことは言えないですけど。軌道だったり、これまでの見え方との違いとかを確認して、これからも投げていきたい」

 一塁側を踏むことで右打者の内角を狙うツーシームに角度が生まれ、左打者の内角にもフロントドアのような軌道で投げることができる。一般的に菅野のように切れのあるスライダーを得意とする右投手は、曲がる方向と逆の三塁側を踏むことでより角度をつけ、持ち球を生かすことが多いが、新たなマウンドからの景色を試す。現状維持は悪。その胸には常に向上心がある。

 今キャンプでは直球の向上が最大のテーマ。この日も小林のミット目掛けて投じた全26球が直球だった。曲がり球を投げることで手首が寝てしまうことを防ぐため「スライダー、カットボールとか、変化球をあまり投げる予定はない」という。完成度の高い右腕だからこそ成せるブルペンの調整法だ。

 昨年も腕から始動する投球フォームで、プロ野球記録となる開幕投手からの13連勝を記録するなど、チームをリーグ連覇に導いた。予定よりも2日早いブルペンでの本格投球。「(5日に沖縄に入り)暖かくて思ったより体が動く。順調です」と笑う。コロナ下で宿舎で過ごす時間が多いが「野球に打ち込める環境」と苦にしない。

 パ・リーグは楽天に復帰した田中将に注目が集まる。「大いに盛り上げていただいて。僕も負けずに頑張りたい」と菅野。田中将が不在の間に日本球界のエースに成長した男は今年も進化を続ける。(小野寺 大)

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2021年2月10日のニュース