森繁和氏 巨人・菅野のフロントドア、来年以降の「メジャー仕様」意識か

[ 2021年2月10日 05:30 ]

菅野のピッチングを見つめる森氏 (撮影・森沢裕)
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 仮にメジャー移籍がかなっていたら、海の向こうで試そうとしていたのではないか。巨人・菅野がプレート板の一塁側を踏んで投球練習。私は捕手の後ろから見させてもらった。

 一塁側を踏むことで、左打者の内角ボールゾーンから曲げてストライクゾーンに入れる「フロントドア」のツーシームがより効果的になる。打者の体に近い部分から曲がるからだ。菅野は来季再びメジャー移籍を目指す可能性がある。ドジャース時代の黒田や楽天に復帰した田中将も武器にし、大リーグで多くの投手が使う球筋を今から取り入れる。もしかしたらそんな意図があるのかもしれない。

 私も同じ右投手だが、プレート板は三塁側を踏むように教わった。投球の基本である右打者の外角低めが、クロス気味の角度になるからだ。その後、真ん中を踏んで両サイドに散らす投球が出てきて、現在では投手の持ち球などに応じて好きな位置を踏むのが常識だ。この日の菅野は外角低めの直球のみの投球。切れも制球も「さすが」の内容だった。昨季はフォームを変え、そして今度はプレート板の踏む位置。その探究心には恐れ入る。(本紙評論家)

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2021年2月10日のニュース