長引くコロナ禍で見通せない来季のMLB ストという最悪のシナリオも

[ 2020年11月29日 09:00 ]

ドジャース時代の野茂英雄=1995年5月撮影
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 日本ハムは有原航平投手のポスティングシステムの申請手続きを行った。巨人は菅野智之投手がポスティングシステムでのメジャー挑戦を希望した場合、容認する構えを示しているという。今オフも新たな日本選手が夢を追い海を渡る可能性があるが、行く先を不透明にさせているのが新型コロナウイルスの感染拡大。そして時限爆弾として多くの関係者の頭の片隅に暗い影を落としているのが、ストライキの可能性だ。

 大リーグ機構(MLB)と大リーグ選手会の労使協定は、21年シーズン限り。新たな協定へ向けた協議が行われるのだが、労使闘争は紛糾必至とみられている。ただでさえ毎回もめるのだが、延期されていた今季開幕前の労使紛争が禍根を残した。結果的に選手会と合意することなく、機構側が強行開幕する形に。複数のメディアが早ければ来季21年シーズンの終盤にも、ストライキの可能性が浮上しかねないと指摘している。

 大リーグは今季、7月下旬に開幕がずれ込み、60試合に短縮された。第3波による感染者再急増もあり、来季162試合のレギュラーシーズンが実施できるのかは不透明。試合数も見通せないどころか、ストライキのリスクすら抱える、というわけである。

 先が見えないので、各球団のストーブリーグの動きも鈍く遅い。移籍市場全体に大きな足かせであり、結果的に日本選手へも影響してくる。そんなタイミングで海を渡ると決断したのならば、並大抵の覚悟ではないだろう。

 大リーグが前回ストライキに発展したのは94~95年。サラリーキャップ制度を巡り、やはり労使交渉が紛糾した。深刻なファン離れを招いた暗黒史。日本人大リーガーのパイオニアとなった野茂英雄がメジャー挑戦した、まさにその時だった。そんな荒波に対して、ひるむことなく海を渡った。その後の活躍でファンも戻り、「野茂がベースボールを救った」とまで称賛されたが、ストライキ自体は関係者の誰もが繰り返したくない黒歴史であることは間違いない。労使協定期限切れというその時へ向かい、コロナで視界不良の中、時間だけが刻一刻と進んでいる。(記者コラム・後藤 茂樹)

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