虎の最後の意地や! 勝つために、タイトルのために、大山4番復帰を!

[ 2020年10月5日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1-7巨人 ( 2020年10月4日    甲子園 )

<神・巨(19)> 7回1死一塁、大山は見逃し三振に倒れる川(撮影・大森 寛明)
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 阪神は4日の巨人戦で1―7と完敗し、敵軍のマジックを17まで減らした。本塁打王を争う5番・大山悠輔内野手(25)が走者を置いた第3打席まで全て四球。6番ジャスティン・ボーア内野手(32)が不振で、4番ジェリー・サンズ外野手(33)は7回に受けた死球の影響で途中交代。勝利のため、そしてタイトル争いを援護するためにも矢野燿大監督(51)が再び大山を4番起用する可能性が高まった。

 あまりに苦しい現状を打破するのは「4番・大山」しかないのかもしれない。序盤から多くの走者を出しながら、得点は3回無死満塁からの大山の押し出し四球のみ。今季ワーストタイの13残塁を記録すると、終盤は中継ぎ陣が捕まり、終わってみれば完敗だった。

 「何か言えることはないけどね、明日頑張るしかないんで。目の前の試合を全力でいきます」

 矢野監督の語調も、どうしても弱々しくなる。好機で1本が出ないのは開幕以来の課題。ただ、ここに来て、サンズ、ボーアの両助っ人の不振が深刻だ。サンズが24打席無安打なら、ボーアもここ32打席で1安打。6試合連続で2人に打点がない。指揮官の表情も曇るばかりだ。

 「もちろんランナーを置いてね、“還してくれ”というところの打順で還せないわけやから。苦しいね」

 9月に月間9発を放った大山が好調だけにもどかしい。巨人・岡本を1本差の23本塁打で追う虎の和製大砲は、初回2死二、三塁、3回無死満塁、5回1死二塁の3度の好機でいずれも四球。1試合3四球は延長12回で6打席立った17年9月9日DeNA以来、2度目だった。後ろを打つボーアが大不振で、まともに勝負してもらえていない印象だ。

 矢野監督は、抜群の勝負強さを見せていたサンズを8月20日巨人戦から4番に固定。以降は5番・大山、6番・ボーアでほぼ定着していた。ただ、サンズが不振に加え、7回の第4打席で左手付近に死球。いったん守備に就いたが、9回の打席で来日初の代打・高山を送られた。交代理由に矢野監督は「死球、当たってたやん」とだけ話したものの、きょう5日以降の出場に影響する可能性がある。

 今、最も長打を期待できる大山の4番起用は、よどんだ空気を変える効果も期待できるはずだ。さらに少しでも前の、相手も勝負せざるを得ない打順に置くことで、岡本との本塁打争いの“アシスト”にもなる。目の前の1勝をつかむこと。そして久々の本塁打王誕生に期待するファンに応えること。今季最大13・5ゲーム差を付けられて優勝がどんどん絶望的となる中、残り試合の戦い方が問われる。 (山添 晴治)

 《4番で37試合》大山は開幕2試合目の6月20日巨人戦に先発5番で初出場して4打数1安打。6月中は主に代打や途中出場からの打席だった。7月4日の広島戦で負傷したマルテに代わって途中出場の4番に座ると9回に1号ソロ。翌5日から37試合で先発4番を務めた。8月20日巨人戦で、7試合連続打点なしの不振から4番をサンズに譲り6番。翌21日から5番。9月30日の中日戦では6月26日以来今季2度目の3番に入った。

 《サンズ2位降格》サンズ(神)は3度あった得点圏の打席で2打数無安打1四球。得点圏打率.370(73打数27安打)となり、坂本(巨)の.373に抜かれて2位になった。規定打席に初めて到達した7月31日以降初の陥落で、この間の最高成績は8月10日の.522だった。

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