阪神・藤浪に巨人の壁 中継ぎで初KO 回またぎの2イニング目に3失点

[ 2020年10月5日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1-7巨人 ( 2020年10月4日    甲子園 )

<神・巨(19)>7回1死二、三塁、松原に中前に2点適時打を打たれた藤浪 (撮影・奥 調)
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 急上昇したボルテージは一瞬でしぼんだ。阪神・藤浪が2番手で登板し、1回1/36安打3失点で降板。リリーフに配置転換された後では初の“KO”を食らった。

 誰もが待ち望んだ登場。名前がコールされると、今季最多2万904人の観衆からこの日一番の歓声と拍手が注がれた。先発・秋山からバトンを受け、1点劣勢の6回から登板。いきなり綱渡りの投球を強いられた。

 1死から坂本に中前、岡本には右前と、ともに156キロの直球を弾き返されて一、三塁。ただ、「中継ぎ・藤浪」の強みはここからだった。丸を145キロのフォークで空を切らせ3球三振。ウィーラーをさらに2キロ速い147キロフォークで空振り三振に仕留めガッツポーズが飛び出ると、場内は、勝利が決まったかのようなすさまじい盛り上がりを見せた。

 しかし、直後の攻撃が無得点に終わると、反動を受けるように2イニング目となった7回に投球は暗転。1死から連打で一、三塁を招き、吉川尚に真ん中に入った甘いフォークを捉えられ右中間への適時二塁打。続く松原にも中前に運ばれさらに2点を追加されたところで降板となった。

 悪夢を払しょくできなかった。巨人との対戦は先発して球団ワーストの11失点を喫した9月5日以来。“新天地”でリベンジを狙ったマウンドで、またも痛打を重ねられた。直近3試合は無失点で2試合連続ホールド。1日の中日戦では自己最速タイの160キロを5度計測するなど中継ぎで輝きを放ち始めていた中、試練を味わった。

 矢野監督は「先に嫌な流れを何とかしたいというところでいったんだけど」と流れを引き寄せる意図での起用だったと説明。空気を変えるべく切ったカードは裏目に出た。 (遠藤 礼)

 ▽藤浪の前回巨人戦 9月5日、甲子園。試合前の急な豪雨で1時間2分遅れての開始。初回を3者凡退としたが、2回に大城の2点先制打を許すと、3回には1死満塁から丸への押し出し四球、続くウィーラーから3連続適時打を浴びて一挙5失点。4回の無失点を挟んで、5回は2死満塁から野手の失策と適時打の4失点を加え4回2/3、11失点KO。阪神投手では過去7人いた1試合10失点を上回る球団ワーストになった。

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2020年10月5日のニュース