阪神・西勇 11度目挑戦で初のG斬り 球児の発言で感化「すごく大事と認識した」

[ 2020年9月5日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5-4巨人 ( 2020年9月4日    甲子園 )

<神・巨(11)> ファンの声援にこたえる西勇輝(撮影・大森 寛明)
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 重みをかみしめて投じた123球。「熱投」と呼ぶにふさわしい投球を披露した阪神・西勇が、プロ12年目、通算11度目の巨人戦登板で初勝利を飾った。

 「去年までは“外様感”が強く、伝統の一戦というものを重く受け止められていなかったけど、この前の球児さんの発言ですごく大事な試合なのだと改めて認識できました。無事に勝つことができて良かったです」

 大先輩が教えてくれた。1日に引退会見した藤川が「絶対に今日言わないといけない」とまで口にした巨人への思い。「誰がなんと言ってもこれだけは譲れない。向かっていかなきゃいけないんですよ。特に、原監督やし」。生え抜きベテランの思いは、移籍2年目の自身の心にも、深く刺さった。

 4連戦のカード初戦を任され負けるわけにはいかない。「序盤から投げたいボールを投げられた」と6回まで1安打無失点で飛ばした。7回に2点、8回も2点を失いイニング途中で降板したが、なんとかリードを守った。2回に自身が成功させたスクイズも効いた。

 「自分が伝統の一戦と言っていいのか、感じていいのかと悩んだ。でも、そういうのは関係なく向かっていく。“伝統の一戦の一員”に加わって戦うことが大事。球児さんの花道を飾れるように、みんなで一生懸命頑張ってやらないといけない」

 引退会見の最中、練習中だった甲子園球場に藤川の登場曲、リンドバーグの『every little thing every precious thing』を流すよう仕向けたのも西勇だった。

 「先輩が残してくれたモノは偉大。受け継ぐのはもちろん、球児さんが安心して見ていられるように自覚をもってやらないと」

 移籍2年目を迎え、生え抜きばりの猛虎魂を宿したエースが、使命である「G倒」に大きく貢献した。 (巻木 周平)

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