阪神・大山 巨人に先制パンチの14号 “打倒G”の球児魂で4連戦初戦撃破「負けられない気持ち」

[ 2020年9月5日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5-4巨人 ( 2020年9月4日    甲子園 )

<神・巨(11)> 2回無死、先制ソロを放ち、ナインとエアタッチをかわす大山(撮影・大森 寛明)
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 阪神・大山悠輔内野手(25)が4日の巨人戦で決勝の先制ソロを放ち、宿敵との4連戦初戦に勝利した。2回に自己最多に並ぶ14号で巨人戦29イニングぶりの得点を奪った。今季限りでの現役引退を表明した藤川球児が訴えた「打倒巨人」と「生え抜きの重要性」に応える一撃。貯金も今季最多の3とし首位とのゲーム差を6・5に縮めた。

 もう負けられない――。大山の強い気持ちがバットに乗り移った。2回先頭で巨人先発・戸郷のスライダーを捉えた打球は、きれいな放物線を描き左翼席に飛び込んだ。

 「負けられない気持ちはありました。入ってくれと思って走っていた。先に点が欲しいと思っていたので、ホームランで先制点が取れたのはよかった」

 前回の巨人3連戦は全て零敗の屈辱を味わった。これ以上の沈黙は許されないとばかりに8月28日広島戦以来の一発で巨人戦29イニングぶりの得点を刻んだ。昨年記録した自己最多の14本塁打にも出場60試合目で到達。「これで満足しているようではまだまだ。1本でも多く打つことを目標にしている」とさらなる高みを見据えた。

 巨人戦で本塁打を放てば4戦4勝。和製大砲の“不敗神話弾”で宿敵の連勝も5で止めた。矢野監督からも「やっぱり先制でリズムはできましたし、悠輔のホームランという形で」と価値ある一発を称えられた。

 先輩の「魂」も継承する。今季限りで現役引退を表明した藤川が1日の会見で「僕は阪神の先輩方から伝統を預かって、今年限りで選手としての任務を解かれるわけですけど、それも含めてつながなきゃいけない。阪神に入ったときにそういう教育があったから」と語った。投手と野手で立場は違うが、同じ生え抜きとして「打倒巨人」は使命。言葉にはしなかったが、藤川の思いを引き継ぐべく、会見から最初の巨人戦で最高の結果を出して応えた。

 本塁打だけではない。サンズの2ランでリードを4点に広げた6回は、中前打を放ち二進後、小幡の左前打で5点目のホームも踏んだ。「起点になるのも重要ですし、得点を取る、打点を挙げるのも大事だと思う。そういうところに貢献していきたい」。逆転優勝するためには、さらなる連勝が必要。ゲーム差はまだ6・5ある。「猛虎の意地」を見せた今宵の活躍をさらなる力に変え、宿敵との差を一気に詰める。 (長谷川 凡記)

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