新型コロナ影響…歓声なき試合 西武の4番・山川「テンションの上げ方難しい」2の0も仲間鼓舞

[ 2020年2月28日 05:30 ]

練習試合   西武2-7ソフトバンク ( 2020年2月27日    アイビー )

アイビースタジアムのソフトバンク対西武の練習試合は無観客で行われた(撮影・岡田 丈靖)
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 プロ野球では27日、宮崎での練習試合2試合が、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて無観客で行われた。ソフトバンク―西武戦では、西武・山川穂高内野手(28)が従来とは異なる環境でのプレーに違和感を口にし、対応への難しさを強調した。29日からの残りのオープン戦全72試合も無観客試合。12球団は特殊な状況下で3月20日のシーズン開幕に向けて調整を求められる。

 球場内には打球音と選手の声、審判の声だけが響いていた。1万1000人収容の宮崎市のアイビースタジアム。閑散とした観客席には、球界関係者約20人のみが座っていた。特に際立っていたのが4番でスタメン出場した山川の声だ。「メヒさん(メヒア)、ナイスラン!」「鈴木~」。攻撃中、仲間を普段以上に鼓舞していた。

 「(無観客は)難しい。テンションの上げ方が。観客が多いほどドキドキする。オープン戦でそれを少しずつ味わいながら(昨年までは)やっていたから」。3年連続本塁打王を狙う主砲。シーズン仕様の精神状態に近づけるべく「自分を奮い立たせないといけない」。その答えが、自らが声を張り上げ続けることだった。

 新外国人も環境の違いを痛感した。「1番・三塁」で出場したスパンジェンバーグは、3回の第2打席で右越えに来日初アーチ。歓声がないことで「ファンの存在の大きさを感じた」と振り返った。辻監督は無観客試合の決定を受けても、特別な訓示などは行わずに臨んだという。「不思議な感じだけど試合は試合。もし意識が変になってきたら言うけど、余計なことは言わない」と当面は選手に任せて調整させる。

 チームは29日、辻監督の地元・佐賀でDeNAとオープン戦初戦に臨む。歓迎ムード一色のはずの戦いも静寂に包まれる。この日は2打数無安打に終わったが、対外試合はここまで14打数6安打の打率・429と好調の山川。「開幕戦でさえ(ファンが)大勢いて緊張する。(歓声がなくても)心を高めていくしかない」。未経験の環境で、模索しながらテンションを上げていく。(大木 穂高)

 ▼西武源田(主将として無観客試合にコメント)ファンの皆さまにオープン戦をお見せすることができず残念ですが、与えられた環境でしっかり調整します。公式戦が始まったら、皆さまとお会いできることを楽しみにしています。

 《来場のファンは「残念」》○…この日、無観客で行われた2試合は毎年恒例の「球春みやざきベースボールゲームズ」として予定されていた練習試合。入場料は無料だったため、大きな混乱はなかった。ただ、アイビースタジアムの外ではファンの姿も見られ、宮崎市の渡辺一さん(79)は、着いてから無観客試合と知ったそうで「残念」と寂しそうに話した。

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