順調調整進む日本ハム有原 「20勝&メジャー挑戦」 夢ではない“マー君”の道

[ 2020年2月28日 09:00 ]

ブルペンで投げ込む有原(撮影・高橋茂夫)
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 2月21日の午後2時21分、日本ハムの栗山英樹監督(58)が滞在していた1軍キャンプ地の沖縄・名護で今季開幕投手を有原航平投手(27)に託すことを発表した。発表時間に込めたのは「20勝を通過点にしてほしい」というメッセージ。3月20日の西武戦に向け、エースは22日の巨人とのオープン戦に先発し2回を完全に抑えるなど順調にステップを踏んでいる。

 昨年は日本ハム担当として有原の「飛躍」を近くで見ることができた。18年は1年を通してフォームが安定せずに8勝(5敗)に終わった右腕が、昨季はフォームのバランスが崩れることなく15勝をマークして自身初となる最多勝も獲得。フォームの「再現性」が一気に高まったのはオフのトレーニングの成果だ。

 「これまでは単純に筋肉を“大きくしたい”、“強くしたい”という考えだったけど、より実用的な動きをしながら鍛えるようにしました」

 18年までは相手打者を圧倒して簡単に完投する試合もあれば、一転してフォームのバランスが崩れて別人のように乱調の試合もあった。そこで肩甲骨周辺や股関節周辺の細かい筋力も強化し、柔軟性もアップ。それがフォームの安定にもつながった。登板間の疲労回復も早くなり、ハイペースで白星を重ねていった。

 今年は日本ハム担当を外れたが、2月中旬に沖縄・名護キャンプを訪問。有原と雑談する機会もあり、昨シーズンの話題となった際には「去年の負け数(8敗)は自分的には多いと思ってます」と力強い言葉も聞いた。

 有原は昨年12月の契約更改の席で早ければ20年オフのメジャー挑戦の意向も明かした。記者は13年に楽天担当として田中(現ヤンキース)がシーズン24勝無敗という伝説的な記録を残してチームを日本一まで導き、オフにメジャー移籍を実現させるというシーズンを取材した。有原がこのまま順調に開幕を迎えることができれば、7年前に田中が実現した「20勝&メジャー挑戦」という最高のシナリオも夢ではない。(記者コラム・山田忠範)

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2020年2月28日のニュース