阪神・近本 土壇場逆転V3ラン、“田淵超え”新人月間4発

[ 2019年4月26日 05:40 ]

セ・リーグ   阪神5―3DeNA ( 2019年4月25日    横浜 )

 9回2死一、三塁、逆転3ランを放ち、笑顔の近本(撮影・大森 寛明)
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 阪神のドラフト1位・近本光司外野手(24)が25日のDeNA戦(横浜)で逆転の4号3ランを放ち、今季初の3連勝で最下位脱出に導いた。

 追い詰められた局面で、これ以上ない結果を出した。1点を追う9回2死一、三塁。初球ファウルした直後の2球目。DeNAの守護神・山崎の外寄り直球を虎党が待つ左翼席に運んだ。起死回生の逆転3ランに、自然と最高の笑みがこぼれた。

 「ファーストストライクを見送るのとファウルでタイミングを合わせるとでは全然違うので。しっかり振りにいけたのはよかった」

 1メートル70センチ、72キロの小兵だが、俊足だけが武器じゃない。思いきりのいい、フルスイングで横浜スタジアムを驚愕(きょうがく)させた。この日3安打目となる一打で長打率はチームトップの・554まで上昇。秘めた力を改めて示した。この回、無死一、二塁で同期の木浪が送りバントを失敗(記録は三振)。「(木浪)聖也の分までカバーしようと思っていました。結果的に勝てたのでよかった」と仲間のミスをカバーしたことを喜んだ。

 自身初の左方向への一発で4月4本塁打とし、球団新人では1969年田淵の3本を超える最多アーチとなった。「大きいのを狙わず、しっかり叩く気持ちで入れた。結果的に叩けたんでよかった」と起死回生の一撃を振り返った。

 初回先頭で左腕・今永から中前打し連続試合安打を自己最長の7に伸ばすと、3回には左中間への二塁打。5、6回はともに四球を選ぶなど1番打者としても最高に機能している。打率も・313とし3割台に乗せてきた。

 「1、2打席目でしっかり捉えられたので。(四球も)見極めることができたのでよかった。今日は狙い球を狙って打てたのでよかった」

 矢野監督も「うれしい。見事でした。ホームランは、さすがに想像してなかった。外野を越してくれたら最高やなというのはあったけど、それ以上のものを出してくれた。言うことない」とルーキーの活躍に目を細めた。

 甲子園で巨人に3連敗した後、敵地で3連勝し息を吹き返しつつあるが、殊勲の男が余韻に浸ることはない。「まだ借金が(3つ)ある。今日みたいにチーム全員で戦って12連戦も頑張っていきたい」。27日から始まる12連戦も、近本が打って走って、猛虎をさらなる上昇気流へと乗せる。(長谷川 凡記)

 ≪新人47年ぶり逆転決勝弾≫近本(神)が9回、プロ4本目となる逆転3ラン。2リーグ制以降、阪神の新人選手が4月中に4本塁打は69年田淵の3本を上回る最多記録。殊勲安打は開幕戦の3月29日ヤクルト戦6回の同点三塁打以来2度目で、初の決勝打。阪神新人選手による決勝本塁打は17年に大山が7月1日のヤクルト戦で3回の先制3ランで記録して以来2年ぶりだが、逆転決勝弾は72年に望月充が5月21日の大洋戦ダブルヘッダー第1試合、0―1の2回に打った2ラン以来47年ぶりとなった。

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2019年4月26日のニュース