丸獲得ならずもロッテが示した本気度、その裏に黒字経営と“ZOZO”

[ 2018年12月2日 09:30 ]

広島・丸からの断りの連絡があったと報告するロッテ・林球団本部長
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 敗れはしたが、健闘をたたえる声が大きかったように思う。広島からフリーエージェント(FA)宣言した丸佳浩外野手の争奪戦にロッテが参戦し、球団としては破格と言える条件を出すなど、本気度は取材している側にも伝わってきた。

 「あると思ったんだけど。残念だった」と交渉の席に同席した山室晋也球団社長は本気で悔しがっていた。

 6年総額24億円超の破格とも言える条件提示はロッテの常識を覆した。「5、6億円の黒字は出る」と山室社長。球団創設50年目にして、初の黒字経営になったことは資金繰りに成功した一因だったことは間違いない。

 球団幹部が一様に口をそろえたのは「本社の完全バックアップ」だった。これまでの球団経営は赤字を補てんする本社にはそれ以上の要望はしにくかった。だが、初の黒字化により、赤字の穴埋めではなく純粋に補強費の補助を申し出ることに負い目がなくなった。

 また、あの「騒動」も好影響を及ぼしたと思う。前沢友作社長率いる「ZOZO」の球界参入構想だ。本拠地ZOZOマリンの命名権を保有していることなどから、買収相手はロッテだという世論が独り歩きしていた。

 もともとロッテは補強費を使わないイメージが強くあったが、ロッテ本社は連結売上高は6兆円を超える大企業。球界の親会社で比較すれば売上高8兆9000億円を超えるのソフトバンクグループとも遜色ない。だが、それが勢いのある新興企業トップの発言で勝手に買収の「対象」にされたのだ。プライドは完全に傷ついた。

 「その影響もあると思います」と球団関係者も「ZOZO」の動向が一因だと推測する。チームは外国人補強も例年以上に力を入れ、調査中。「ZOZO球団」の見通しは聞こえてこないが、彼らの起こしたムーブメントは確実にロッテの結束力を高くし、チーム力向上に一役買った。(記者コラム・福浦 健太郎)

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