斎藤佑先生 高校野球指導者に熱弁2時間「選手はどこかでスイッチが切り替わる瞬間がある」

[ 2018年12月2日 08:00 ]

高野連指導者研修会で講演する斎藤(撮影・森沢裕)
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 日本ハムの斎藤佑樹投手(30)が1日、都内で行われた東京都高野連指導者研修会で講演した。現役のプロ野球選手では初めてで、テーマは「わたしと高校野球」。約2時間にも及び、早実出身で06年夏に全国制覇した右腕が一番伝えたかったのは、どんな選手でも可能性を秘め、それを引き出すのが指導者ということだった。

 「高校野球の中で、選手はどこかでスイッチが切り替わる瞬間があるはず。指導者の方が熱心に取り組んでくれれば、最後まで選手は頑張ってくれる」

 自ら作成した87枚の資料で高校時代を振り返り、駒大苫小牧の田中(現ヤンキース)と投げ合った06年夏の決勝にも触れた。延長15回で決着がつかず、引き分け再試合となった翌朝。「もうやりきったという空気がチームにはあった」という。和泉実監督の「旗を獲りにいくぞ」という言葉で一変。「普段、温厚な監督があそこまで言うんだから獲りにいかないといけないと思った」と先発を志願し、完投勝利を収めた。

 質問コーナーでは、球速を上げる方法を問われ「自分は(高校時代に)フォームを変えたことで体の張る部分も変わったので、そこを重点的に鍛えた」と答えた。自身の性格についても聞かれ「とても短気。自分で試合を壊すことも多かった」と苦笑い。客席から「出演」した和泉監督も「斎藤佑樹に育てられた和泉です。短気だったけど、3年間で公式戦の大切さに気づいてくれたね」と話し、会場を盛り上げた。

 講演の依頼を受けた理由について「お世話になった高校野球に少しでも恩返しがしたかった」と斎藤。最後は拍手喝采で見送られた。 (武田 勇美)

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