作新学院・小針監督「甲子園塾」に講師初参加 塾長・山下氏「一番喜んでくれているのは、尾藤監督だね」

[ 2018年12月2日 16:48 ]

生徒を前にあいさつする元日本高野連技術・振興委員会副委員長の山下智茂氏(後方右は作新学院・小針監督)
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 日本高校野球連盟が若手指導者の育成のため開催する講習会「高校野球・甲子園塾」が2日、大阪府四條畷市の太成学院大学高等学校・四條畷グラウンドでの実技指導で最終日を迎えた。星稜名誉監督で元日本高野連技術・振興委員会副委員長の山下智茂氏(73)が塾長を務め、今回が今年2回目の実施。全国から集まった各27名の指導者が2泊3日の日程で講義・座学、実技指導などを受けた。

 塾は08年から実施され、参加できるのは原則、教員歴10年未満の若手指導者。09年に同塾に参加した作新学院・小針崇宏監督(35)が塾生としては初めて、指導する側の特別講師として招かれた。走塁の基本練習、ノックの実戦練習などでは身ぶり手ぶりを加え、熱のこもった口調で指導者、選手を指導。「講師という形で呼んでもらい恐れ多いです。2回目の講習を受ける研修生の立場という気持ちが大半でした」と話した。

 作新学院は夏の甲子園大会に8年連続出場中。16年夏には今井達也(西武)を擁して、優勝を果たすなど全国屈指の強豪校に登り詰めたが当時、講師を務めていた箕島元監督の故尾藤公氏、山下氏の言葉が今でも心に響く。「愛情を注いで指導をしなさい。自分の魅力を作っていきなさいという言葉を頂いた。それは今でも忘れないように思っています」と振り返る。そのうえで「初心に帰って、少しでも恩返ししていけるようにと思います」と表情を引き締めた。

 指導を受けた鳥取・八頭の三田寛監督(35)は同学年の小針監督のみならず、山下塾長、元報徳学園監督の永田裕治日本高野連技術・振興委員に積極的に質問を投げかけた。小針監督について「人間性も素晴らしいと感じた。そう思う反面、同い年として悔しさもある。人間性も兼ねそろえて、上のステージに上がりたい」と思いも新た。山下氏は「高校野球を引っ張ってくれている。若い指導者も目標が定まったと思うし、堂々といい指導をしてくれた」と評価。「一番喜んでくれているのは、尾藤監督だね」と若手指導者達に穏やかな笑顔を向けた。

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2018年12月2日のニュース