星稜・奥川 輝星流でマー君超えの奪三振率 松井氏以来27年ぶりV王手

[ 2018年11月13日 05:30 ]

明治神宮野球大会第4日・高校の部準決勝   星稜7―4高松商 ( 2018年11月12日    神宮 )

<星稜・高松商>7回4安打1失点の好投を見せ勝利投手の星稜・奥川(撮影・久冨木 修)
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 優勝候補筆頭の星稜は準決勝で高松商を破り、松井秀喜氏を擁した1991年以来27年ぶり3度目の優勝に王手をかけた。来秋ドラフト1位候補の最速150キロ右腕・奥川恭伸投手(2年)は7回を被安打4の1失点力投。2試合連続2ケタとなる12三振を奪った。打っても3安打4打点と活躍した奥川は「タイトルをとって選抜へ乗り込みたい」と誓った。

 独壇場だった。初回2死から連打で二、三塁のピンチを招いたが、続く浅野を外角143キロ直球で空振り三振。7回2死一、三塁の場面で飛倉には低めの変化球を投じ、ここでも空振り三振を奪った。この日の力配分は「7、8割くらい」。3回の右犠飛で今大会初めて失点(自責0)したが、要所で見せる巧みなギアチェンジで12個の三振を奪った。

 力配分のお手本は、日本ハムから1位指名を受けた金足農・吉田だ。2年生で唯一、U18日本代表に選出された今夏。そこで吉田のギアチェンジに目を奪われた。「コースをつき、打たせてとる。吉田さんの投球をマネしたいなと思いました」。敵将の高松商・長尾健司監督は「ギアチェンジは吉田輝星君のよう」と脱帽した。

 打ってもすごかった。3回に中前へ適時打を放つと、6回2死二塁の場面では投手のグラブを弾いた打球が中前へ転がった。隙を見て二塁へ好走。次打者の右前打で一気に三塁を蹴った。勢い余ってスリップで転倒。タッチアウトになる様さえ絵になる男だ。3安打4打点と暴れた。

 1大会の奪三振数は05年の駒大苫小牧・田中将大(現ヤンキース)の47(4試合)が最多。奥川は2試合で23個だが、奪三振率14・79は田中の14・1を上回るハイペースだ。松井秀喜氏を擁した91年以来の優勝まであと一つ。「タイトルを取って選抜に乗り込みたい」。27年ぶりの快挙へ突っ走る。(吉仲 博幸)

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2018年11月13日のニュース