新人王の陰の功労者…大谷の笑顔を支えた水原通訳「会わなかった日はない」

[ 2018年11月13日 10:00 ]

8月、ベンチで笑顔を見せる水原一平通訳(左)と大谷(撮影・会津 智海)
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 【フリートーク 大リーグ担当・柳原 直之】 エンゼルス・大谷の新人王受賞の陰の功労者は言うまでもなく、通訳の水原一平氏(33)だろう。キャンプから選手とのコミュニケーション、コーチの指示を訳す本業はもちろん、キャッチボール相手や、運転免許を持っていない大谷の運転手役まで務めた。「今年は1月から毎日、会っていますね。会わなかった日はないです」。そう語る水原氏の表情はいつも充実感に満ち溢れている。

 もちろんオフだって付き合う。大谷がオールスター休暇を利用して、本拠アナハイム近郊のユニバーサル・スタジオを観光した際にも同行。「何人かには気づかれた」と言うが、そんな時には水原氏が写真撮影を控えてもらうよう一般客にお願い。大谷のプライベートを守り続けた。「ハリー・ポッター」や「ミニオンズ」のアトラクションをともに楽しみ「子供用かなとなめていたら、けっこう迫力があって凄かったと(大谷は)驚いていた」。水原氏がいたから、大谷もリラックスして、束の間の休日を楽しむことができた。

 シーズン終盤のある日。「新人王、獲ってほしいですね」と水原氏に話しかけると「獲ってほしいですよね。OPS(※)とか普通にメジャートップクラスですからね。凄過ぎですよ」と返ってきた。大谷は規定打席に未到達だがOPS・925はリーグ6位相当。シーズン終盤に形成した3番・トラウト、4番大谷は紛れもなくメジャー最強コンビだった。

 「打っても、打たなくても変わらないでいられる人は“クラブハウスガイ”と呼ばれますが、翔平もダメな時、良い時が全く分からない。みんなから“常にニコニコしていて、明るくていいね”と言われています」。水原氏がいたから大谷も心配事なく常に笑顔でいれた。メジャーを席巻した2018年の二刀流。大谷と水原氏のコンビもまた最強だった。

 ※OPS 「On―base plus Slugging」の略。出塁率と長打率を足し合わせた値で、打者の評価で最も重要とされる指標。9割台で優秀な打者、10割以上になれば屈指の強打者とみなされる。今季トップはトラウト(エンゼルス)の1.088。歴代最高は大リーグ新記録の232四球を選んだ04年のボンズ(ジャイアンツ)の1.422。

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2018年11月13日のニュース