これぞ4番!糸井 超人パワーや!右翼スタンド中段16号2ラン

[ 2018年9月13日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神8―5中日 ( 2018年9月12日    甲子園 )

<神・中>初回、糸井は右越えに2ランを放つ (撮影・奥 調)
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 主将がいなくても超人がいる。右太ももの張りで福留が欠場した試練の一戦。いきなり2点先制される苦しいムードを一変させたのは阪神・糸井のひと振りだった。初回2死二塁、小熊のスライダーを振り抜いた打球が、右翼ポール方向の秋空に高々と舞い上がる。黄色く染まったスタンド中段に着弾した16号同点2ランで、試合の流れを一気に引き寄せた。

 「あしたもちゃんと(勝利を)取れるように頑張ります!」

 試合後はそれだけ言い残してさっそうとクラブハウスへ消えた。若手も多い打線を開幕からけん引してきたのが糸井と福留の2人。これまでも福留が積極的な休養で欠場した試合はあったものの、今回は意味合いが違う。ましてや、前夜のこのカード初戦が守護神ドリスが打たれての痛恨逆転負け…。初回に岩貞が2点を失った時点で立ちこめ始めた暗雲を、超人パワーで一掃して見せた。

 糸井自身も7月に右腓骨(ひこつ)を骨折。6日の広島戦では右ふくらはぎの張りを訴えて5回で交代するなど、決して万全の状態ではない。それでも、いざグラウンドに立てばアクセルを目いっぱい踏み込むのが超人流だ。4回の第3打席では遊前内野安打で出塁し、3年連続9度目の20盗塁に王手となる19個目の盗塁にも成功。不安のあるはずの両足をフル回転させ、ナバーロの左前打で8点目のホームを踏んだ。

 ノーゲームとなった9日の巨人戦の雨での中断中。ベンチで金本監督に歩み寄り「(残り)全部行きます!」と宣言した。体を心配する指揮官が「ホンマか?」と驚くほどのやる気も、糸井にとっては当たり前のことだ。初回の守備では福田の飛球をフェンスラバーにぶつかりながら好捕。走攻守で規格外のプレーを見せる37歳が、最後まで猛虎ナインを引っ張り続ける。(山添 晴治)

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2018年9月13日のニュース