由伸監督続投へ V逸しても育成評価、山口オーナー「十分にチーム整え腕振るって」

[ 2018年9月13日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人1―1ヤクルト ( 2018年9月12日    東京D )

<巨・ヤ>8回、代走を告げる高橋監督。来季の続投を要請されることが濃厚に(撮影・森沢裕)
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 巨人の山口寿一オーナー(61)は12日、都内のホテルで行われたオーナー会議後に今季が3年契約の最終年となる高橋由伸監督(43)に対し、来季の続投を要請する方針を示した。3年連続のV逸は濃厚となっているが、4番に成長した岡本和真内野手(22)ら急成長を遂げている若手の育成面を高く評価した。

 決定的な3年連続のV逸と、その一方で明確に見えている若手の成長ぶり。球団は後者を高く評価していた。契約最終年を迎えた高橋監督の評価を問われた山口オーナーは、穏やかな口調で話した。

 「十分にチームを整えて、監督には(来季も)腕を振るってもらいたいと私は考えている」

 今春の宮崎キャンプ。指揮官からは「今年は若い選手を勇気を持って使っていく」と決意を伝えられたという。その言葉通り、3月30日阪神戦(東京ドーム)の開幕スタメンに岡本、吉川尚の2人を抜てき。交流戦期間中の6月2日のオリックス戦(京セラドーム)からは、その岡本を第89代4番へと据えた。

 6月下旬から7月頭には32打席連続無安打と打撃不振に陥った時期もあったが、打順を下げずに使い続け、経験を積ませた。その岡本はここまで全128試合に先発出場。いまやプロ野球史上最年少となる22歳シーズンでの3割、30本、100打点を射程圏に捉えるまでに成長している。

 吉川尚も左手骨折で離脱するまでは主に二塁のレギュラーで起用し、岡本と同じく経験値を高めさせた。山口オーナーは「本人たちの努力がもちろん大きいけど、成績を残しているのは、監督やコーチ陣が力を合わせて若手を育てようとしてきたことも大きかったと思っている」とした。

 ここまで坂本勇やゲレーロら主力に負傷が相次ぎ、マシソンとカミネロは手術のためにシーズン途中に帰国となった。現在も背筋痛の長野がリハビリ中。戦力は整わないが「チーム事情にかかわらず(若手起用の)考えは貫いてくれている」と山口オーナー。

 頸椎(けいつい)の一部を骨折して入院中の渡辺恒雄読売新聞グループ本社代表取締役主筆についても「かねて高橋監督の力を認めている。同じ考えだろうというふうには思いますよ」と話した。

 「ジャイアンツの現状にはもちろん、危機感は持ってます。優勝争いからも遠ざかっている」と厳しい言葉も並べた山口オーナー。高橋監督への正式な続投要請は、全日程終了後となる見込みだ。(川手 達矢)

 ◆高橋 由伸(たかはし・よしのぶ)1975年(昭50)4月3日生まれ、千葉県出身の43歳。桐蔭学園から慶大に進み、東京六大学リーグ新(当時)の通算23本塁打。98年ドラフト1位で巨人入団。1年目から主軸を務め、ベストナイン2度、ゴールデングラブ賞7度。15年は1軍打撃コーチを兼任し、同年10月に3年契約で巨人監督就任。同時に現役引退。通算成績は1819試合で打率・291、321本塁打、986打点。04年アテネ五輪日本代表。1メートル80、87キロ。右投げ左打ち。

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