２０歳の西武・今井に欠けていた“状況読む力”　けん制＆クイック…９番若月に被弾

パ・リーグ   西武１―５オリックス （ 2018年9月2日    京セラＤ ）

４回２死、若月に２点本塁打を浴びた今井（左）（撮影・後藤　正志）
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　【ここにＦＯＣＵＳ】野球にはセオリーがある。ベンチの西武・辻監督は、走者は走らないと見た。マウンドの今井は走者を必要以上に警戒して、痛恨の一発を被弾した。「クイックの精度もそうだし、まだまだ野球を勉強しないと」。試合後、指揮官が２０歳右腕に投げかけた言葉だ。

　０―２の４回２死一塁で、今井は９番・若月に２ランを浴びた。今季１号、プロ５年目で２本目のアーチで「想定外。あれが一番痛かった」と辻監督。今井はけん制球を２度挟み、クイックモーションで投げた。打たれた直球は１４２キロ。本来の力を欠き、シュート回転して甘く入った。

　「セオリーで言ったら走者を警戒する場面じゃない。走るケースじゃないし、打者集中でいいんだ」。仮に一塁走者が盗塁死となれば、次の回は９番・若月から。１番打者から始まる場合とてんびんにかけると、相手ベンチは動かない。それが辻監督の思考だった。状況を読む力。今井が学ぶことはたくさんある。（鈴木　勝巳）