ハム西川9回V弾!栗山監督500勝に花 西武と5差

[ 2018年9月3日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム3―2ロッテ ( 2018年9月2日    ZOZOマリン )

9回1死、勝ち越しとなる右越え本塁打の西川(左)はレアードらナインと喜び合う(撮影・西川祐介)
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 日本ハムの栗山英樹監督(57)が2日、ロッテ戦(ZOZOマリン)に3―2で競り勝ち、監督通算7年目で通算500勝を挙げた。控え捕手は不在で、ベンチ入りの残り野手は2人という総力戦の中、9回に指揮官の秘蔵っ子・西川遥輝外野手(26)が自身初の2桁本塁打となる決勝の10号ソロ。水原茂監督、大沢啓二監督に次ぐ球団史上3人目の快挙に花を添えた。

 “親分”の異名を持つ586勝の大沢啓二監督、そして“勝負師”と呼ばれた526勝の水原茂監督。偉大な名将に肩を並べた。節目の通算500勝。それでも試合後の栗山監督のコメントは、指揮官の人柄を表していた。

 「選手に勝つ喜びを与えてもらった。感謝しかない。勝つのは俺じゃない」。勝てば選手を称え、負ければ敗戦の責任を一身に受け止める。選手へ愛情を注ぎ続けてきた指揮官は、節目の勝利でも選手を称える気持ちは変わらなかった。

 試合を決めたのは秘蔵っ子の西川だ。2―2の9回。過去8打数1安打、打率・125で、「合わなかった」と苦手の右腕・内対策として取り入れたのがすり足打法だった。カウント1ボール2ストライクからの4球目。内角直球にうまく腕を畳んで鋭く回転させると、白球は右翼ポールを直撃して右翼席へ飛び込んだ。普段はクールな男が右手を突き上げてダイヤモンドを回り、「普段は本塁打1本より安打4本の方がうれしいけど、今日は特別」と満面の笑みを浮かべた。

 栗山監督は、西川が盗塁王争いを繰り広げていた15年の9月中旬に、2軍降格を命じた。もちろん奮起を促すためだったが、それだけ「攻撃の起点」という西川に大きな期待をかけてきた。その指揮官に節目の勝利をささげ「監督の悩みを少なくしようと、延長に入る前に決められて良かった」と喜びをかみしめた。

 デーゲームで首位・西武が敗れ、2位・ソフトバンクが勝利。負けられない一戦なのは誰もが理解していた。「行くところは行ききる」。指揮官は控え捕手が不在となっても捕手2人を使い切り、DHを解除。守備ができる野手は残り1人という状況まで勝負手を打ちまくった。「みんなの気持ちがつながったのが良かった」と、全員で勝ち取った勝利を強調した。

 4日からは旭川で、5ゲーム差で追う西武との2連戦。8月は西武に2勝4敗と負け越しただけに、3連勝と上り調子の指揮官は「この前やられているので、しっかりやります」と大一番へ力を込めた。(東尾 洋樹)

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2018年9月3日のニュース