阪神・青柳379日ぶり白星 制球難克服6回途中3失点「試合つくれた」

[ 2018年9月3日 08:16 ]

セ・リーグ   阪神12―3DeNA ( 2018年9月2日    甲子園 )

阪神先発・青柳(撮影・成瀬 徹)
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 “荒れる”背番号50はもういない。今季初先発の阪神・青柳は5回1/3、5安打3失点と役割を果たし、昨年8月19日以来、379日ぶりの白星を手にした。

 「昨年と違って四死球で荒れるイメージではなく、試合を作れた」。初回1死一、三塁から筒香を143キロ直球で空振り三振に斬るなど無失点でしのぐと、5回まで無四球と制球も安定。気持ち良くストライクを並べて、アウトを奪った。

 “8割縛り”が進化の源だ。7月14日のウエスタン・リーグ広島戦。福原2軍投手コーチらと相談し、あるルールを定めた。

 「1試合全てのボールを6〜8割の力で投げてみようと。打たれようが、何点取られようが、6〜8割を貫いた。それが、メチャメチャ良かった」

 これまでは力で勝負していた中で「“バンッ”じゃなくて“シュッ”。制球もキレも良くて、結果も付いてきた」。独特の擬音で表現する投球術を覚え、以降6試合で5勝1敗、防御率2・00と明らかに変わった。

 リスクある挑戦を許してくれる環境もあった。「試したいコトがあるなら試合でやり通してみろ。ブルペンでやっても意味がない。結果がダメでも、実戦でやることに意味がある」とは矢野2軍監督の言葉だ。

 打たれても良い―。心の支えができ、実戦のなかで「新投法」を磨き上げた。一時、球速は落ちても「力まなくても、ボールがいく感覚を覚えた」と、この夜も最速146キロを記録。はい上がってつかんだ勝ち星には確固たる根拠があった。

 金本監督は「何より球威が戻ってきた。1年目の時に。もちろん」と次回登板も確約。待望のチャンスをモノにした。

 「先のことを考えず、今日よりいい投球と向上することを繰り返していく」。まだある伸びしろを信じ、青柳晃洋は躍動する。(巻木 周平)

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2018年9月3日のニュース