阪神・俊介“秘打”で沸かせた!イレギュラー三塁打「結果が出せてよかった」

[ 2018年9月3日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神12―3DeNA ( 2018年9月2日    甲子園 )

5回1死一、二塁、右前適時打を放ち、手をたたいて喜ぶ俊介(撮影・大森 寛明)
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 曲者(くせもの)の一打は本当に曲がった。阪神が先制した3回、なお2死満塁の好機。俊介は追い込まれながら外角低めのスライダーに食らいつき右翼へ運んだ。独特の回転がかかっていたのか。芝生で弾んだ打球は捕球しようとしたソトの前で軌道を変えて右翼線側へ。予想外のイレギュラーでグラブを弾き、慌てたソトの足にも当たって転々と転がった。満塁の走者全員が生還し、打った俊介も一気に三塁まで達した。

 「全然活躍できてなかったので、少しでも結果が出せてよかった。次へつなごうと思っていた。得点圏でしたし、ああいう形になってよかったです」

 毎年1月には忍者の里で知られる三重県伊賀市で原口とともに「チーム伊賀」を結成して自主トレ。培ってきた“秘打”が昨年8月20日の中日戦以来の三塁打となり、甲子園球場の虎党も驚かせた。

 これだけでは終わらない。5回1死一、二塁からは右前適時打。6回1死三塁からも遊ゴロで三塁走者の大山を還し、プロ9年目で初の1試合5打点だ。8回無死一塁からも中前打を放ち、17年9月30日の巨人戦以来の猛打賞も記録した。

 2試合ぶりに先発起用した金本監督も驚かせた。「あれで(三塁打)完全に主導権を握れましたんで、本当にいい働きをしてくれました。片岡コーチの強引なご推薦がありましたね。小技、守りとね。ヒットエンドランとかセーフティースクイズとか、そういうのをやってもらうという考えで出したんですけどね」。いい意味で首脳陣の期待を裏切る大当たりだった。

 本人は殊勲の壇上で表情を引き締める。「形的にはよかったですけど、まだまだ満足していないので、また明日からもやっていきたい」。一つでも上の順位を目指す残り31試合。懸命な思いが生み出す次の術が楽しみだ。(長谷川 凡記)

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2018年9月3日のニュース