西武ラッキー先勝!ハム悪送球で逆転 エースの気迫乗り移った

[ 2018年8月4日 05:30 ]

パ・リーグ   西武4―3日本ハム ( 2018年8月3日    メットライフD )

7回1死満塁、浅村の遊ゴロと悪送球で逆転し、三走の斉藤彰(右から2人目)を迎える西武ナイン
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 西武は3日、日本ハムと首位決戦第1ラウンドを行い、4―3で逆転勝利を収めた。菊池雄星投手(27)が7回途中3失点で降板。エースがベンチでグラブを投げつけて悔しさをあらわにすると、打線はその裏に相手守備の乱れから逆転に成功した。2位・日本ハムとは3・5ゲーム差。日本一に輝いた08年以来、10年ぶりのリーグ制覇へ大きな1勝となった。

 エースの気迫が、ナインに伝わった。1―3の7回2死二塁、降板を告げられた菊池は悔しさをあらわにした。ベンチに戻りグラブを椅子に叩きつけた。爆発した感情が、直後の7回の逆転劇につながった。

 「そこ(降板)は悔しい気持ちはありますけどね。しょうがない。(チームの勝利)それが全てです」。

 2位・日本ハムを3・5ゲーム差とする勝利だが、菊池は試合直後は名物の階段を上り切ると、報道陣の問いかけに答えることなくロッカーへ消えた。数分後、まだ収まりきらない気持ちを抑えながら、口にしたイニング途中での降板への悔しさは、エースの責任感の裏返しでもあった。

 前回登板だった7月26日のオリックス戦から2段モーションを1段に戻した。「ボール一つ一つはそんなに悪くなかった」と振り返ったが、序盤は毎回走者を背負った。1点を先制した直後の4回、レアードの2ランなどで逆転を許した。

 それでも5回には156キロをマークした。6回を終えて113球。大事な首位攻防第1ラウンドだからこそ、7回もマウンドに上がり2死二塁までこぎ着けた。ただ、辻監督は「チームの勝利が一番。タイミングが合っていたバッターだった」と2安打を許していた松本に対し、2番手・平井を選択。菊池がベンチでグラブを投げた際、落ちた帽子を拾った指揮官は「そういう気持ちが出てきてうれしい。次に生かしてくれれば」と言った。

 そんな左腕の執念が野手陣に乗り移った。その裏の攻撃。代打・栗山の中犠飛で1点差とし、1死満塁から浅村の遊ゴロが敵失を誘う間に2者が生還した。先頭で中前打して口火を切った中村は「そういうのでいいと思います」とエースの心中を思いやった。

 菊池はこれで5戦連続白星なし。さらに今季15試合目の先発で、初めてイニング途中の交代となったが、チームは負けなかった。「何とか粘り強く投げられた」。菊池が見せた気概が、またチームの勢いになった。 (春川 英樹)

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2018年8月4日のニュース