【沖縄】「琉球のライアン」14K完投 沖縄尚学、区切りの甲子園20勝目

[ 2018年8月4日 08:00 ]

第96回大会2回戦   沖縄尚学3―1作新学院 ( 2014年8月17日    甲子園 )

<沖縄尚学・作新学院>3安打1失点14奪三振で完投勝利を挙げた沖縄尚学・山城大智投手
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 【スポニチ社員が選ぶわが故郷のベストゲーム】この夏、全国高校野球選手権大会は100回目。ふるさとチームの甲子園での活躍に熱くなった記憶を、北北海道から沖縄まで、今夏の代表校数と同じ56人のスポニチ社員がつづります。

 いつの間にか沖縄球児びいきになった。純朴で素直ですれた感じがしない。13年夏に比嘉公也監督が「うちの秘密兵器です」と紹介してくれた背番号12の2年生もそうだった。沖縄尚学の山城大智。長いまつげとつぶらな目の童顔が印象的だった。沖縄大会で登板はわずか1イニングだったが比嘉監督は「球に力があるから大事な場面で使う」と決め、翌日の福知山成美戦でさっそく3番手で登板させた。

 沖縄の甲子園エースは安仁屋宗八(沖縄、現沖縄尚学)をはじめ仲田幸司、島袋洋奨(いずれも興南)、赤嶺賢勇(豊見城)、新垣渚(沖縄水産)ら多士済々だが個性派No.1は山城だ。「打者を威圧したい」と左足を顔の前まで上げ、元大リーグの速球王、ノーラン・ライアンをほうふつさせるダイナミックな投げ方をした。翌14年センバツに背番号1で乗り込んだ「琉球のライアン」は報徳学園を完封して勢いに乗り8強入り。さらに進化した姿を見せたのが14年夏で、作新学院から14三振を奪って3安打1失点。沖縄尚学の甲子園20勝目をたぐり寄せた。3回戦の二松学舎大付も2桁10奪三振で撃破。2季連続8強入りを果たした。

 山城は森林が多く残る沖縄本島北部「やんばる」の今帰仁(なきじん)村出身。やんばる出身者は運動能力が高いと言われ、それが独特の躍動するフォームを生んだのだ。

 山城は現在、亜大4年生。紆余(うよ)屈折を経て普通の投げ方に戻しているというから、なおさら甲子園でのマウンド姿がまぶしく思い出される。

 ◆中島 泉(西部総局特別編集委員)熊本市生まれ。70年熊本高校出身。春夏の九州大会や夏の沖縄県大会、甲子園で沖縄チームを取材。

 <沖縄データ>

夏の出場 50回(通算69勝49敗)

最高成績 優勝1回(興南=2010年)

最多出場 興南(11)

最多勝利 沖縄水産(20)

出場経験 17校、うち未勝利5校

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