【和歌山】大会新・9打席連続安打の安打製造機 柑本がけん引 市和歌山3年連続4強

[ 2018年7月23日 13:59 ]

第100回全国高校野球選手権記念和歌山大会 準々決勝   市和歌山6―1和歌山南稜 ( 2018年7月23日    紀三井寺球場 )

<市和歌山・和歌山南稜>9回表の打席で左肩を痛め、ベンチに下がる市和歌山・柑本。左は見つめる半田監督
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 「打倒智弁和歌山」を掲げる市和歌山が序盤の速攻で快勝し、3年連続20度目のベスト4進出を決めた。

 打線のけん引者となったのは2番の柑本(こうじもと)高宏(3年)だ。右投げ左打ちの左打者で、1回表無死一塁ではヒットエンドランで中堅右に快打して一、三塁をつくり、続く遊ゴロでの先取点につなげた。2回表には2死二塁から右前適時打を放ち、追加点をあげた。

 これで2回戦・神島戦、3回戦・日高中津戦と3試合にまたがり8打数連続安打となり、連続打数安打の大会記録を更新した。従来の記録は2015年・98回大会の上山怜央(桐蔭)ら5人の「7」だった。

 さらに4回表の第3打席は投前バントが内野安打となり、記録を「9」に伸ばした。

 柑本は日高中津戦で大会史上2人目のサイクル安打を達成しており、安打製造機の記録男となった。

 試合後は「記録とは知りませんでした」と驚き、「1打席1打席を大事にいこうとしていた結果でこうなりました。この前ホームランは打てましたが、振りが大きくならないように気をつけていました」と謙虚に話した。

 第4打席の6回表は遊ゴロに倒れ、連続打数安打は途切れた。

 ヒヤリとしたのは、その後、9回表の第5打席。1ボールからファウルを打った際、左肩の痛みを訴え、ベンチに下がり、代打が出て交代となった。

 試合後は「もともと故障持ちだった。左肩を後ろの方に引きすぎると、抜けた感じになる」と話した。「でも、もう大丈夫です」と今後の出場に影響はないようだ。

 和歌山南稜は昨秋の県1次予選で終盤8回に何と4者連続本塁打を浴びて、逆転負けを喫した相手だった。半田真一監督は試合前「選手にはリベンジしようという思いがあるだろう」と話していた通りの結果となった。

 4回裏から救援登板し、6回を4安打1失点(自責点0)に封じた左腕・津熊伊織(3年)は昨秋はベンチに入っていなかった。「悔しい思いをしていたので、今日はみんなで“大差で勝とう”と話していた」と明かす。

 3試合連続で救援し、好投を続ける投手陣の柱は「守備や攻撃のことも考え、ボールをもらったら早く投げるように心がけている」と、快テンポの投球で投打のリズムを演出している。

 試合後、準決勝の組み合わせ抽選が行われ、市和歌山は向陽と対戦することが決まった。春季県大会決勝で4―5と惜敗し、今夏「打倒」を掲げる智弁和歌山とは決勝まで当たらない。半田監督は「1試合1試合、リセットして、次の試合に全力を傾けるだけ」と話していた。 (内田 雅也)

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