【西東京】日大三ミラクル4強 小沢代打逆転満弾は公式戦初アーチ

[ 2018年7月23日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会西東京大会準々決勝   日大三8―6都片倉 ( 2018年7月22日    神宮 )

<日大三・都片倉>7回2死、逆転満塁本塁打を放った日大三・小沢は笑顔で生還(撮影・尾崎 有希)
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 苦しむ仲間を救いたい。一振りに全てを懸けた。日大三・小沢の放った打球が神宮球場の右中間席で大きく弾む。公式戦初本塁打が、代打逆転満塁弾。両手を何度も突き上げ、ナインと抱き合った。

 「自分が決めてやろうと思って、打席に向かった。フワフワして夢みたいだった」

 都片倉の横手投げの変則左腕・紙田を打ちあぐねた。3―6の7回。2死満塁の場面で小倉全由(まさよし)監督が動く。「勝負に出た」と投手の打席で代打・小沢を送った。左対左だったが、紙田が左打者への制球に苦しむ傾向をつかんでいたからだ。初球は甘く入ったスライダー。仕留めた小沢は「狙い通りに打てて良かった」と期待に応えた。

 今春のセンバツではスタメン出場も果たしたが、今大会は代打の切り札。「悔しさはあるが、その分、代打で頑張る」。仲のいいプロ注目の主砲・日置主将は「勝負強くて、本当に優しい男」という。酷暑の中、ベンチでは仲間をうちわであおいだり、投手のアイシングも手伝う。そして声をからして鼓舞する。

 打席に立てば頼もしい。ベンチプレスで100キロを持ち上げるパワーが自慢。仲間が追い詰められたとき、頼りになる男。まさに、「縁の下の力持ち」だ。自主練習だけでも1日1000スイングし、日置から「おまえが一番練習してきたんだから自信を持て」と言われ、これ以上ない最高の結果を出した。

 第1シード・日大三が見せた底力。2011年に全国制覇したが、13年以降は夏の甲子園から遠ざかる。100回の記念大会で5年ぶりに返り咲く。

 ◆小沢 優翔(おざわ・ゆうと)2000年(平12)12月28日生まれ、東京都清瀬市出身の17歳。祖父が監督を務めていた清瀬ツインズで小1から野球を始める。今春のセンバツは背番号17。由利工(秋田)との初戦に「8番・左翼」で先発出場し、1打数1安打。今夏は背番号13。遠投90メートル。1メートル75、84キロ。右投げ左打ち。

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