西武・山川 進化のキーワードは「我慢」 2発含む4番の仕事

[ 2018年7月23日 09:40 ]

パ・リーグ   西武6―3楽天 ( 2018年7月22日    メットライフD )

<西・楽>お立ち台で「トゥース」のポーズを取る(左から)源田、春日、山川、秋山(撮影・篠原岳夫)
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 全打席に意味があった。西武・山川が4番の仕事で連敗を止め、今季初の首位陥落を防いだ。1年前のブレークから猪突猛進走ってきたアグーの進化のキーワードは「我慢」だった。

 左腕・辛島に打線が苦しむ中、4回に左中間、6回に左翼へと鼓舞するアーチを架けた。手応えは1本目だ。

 「冷静でした。あれだけカーブが続くと打ちたくなるけど、我慢できた打席でしたね」

 初球から5球連続スローカーブでフルカウント。5球の平均球速105キロの超遅球攻め。そこにズドンの133キロ直球を完璧に捉えた。「フルカウントだし直球待ち。カーブ待ちで直球は打てないけど、逆ならできる」。号砲となる25号に、「ボール気味を強引にいった」という2打席連発の26号で1点差に迫った。1試合2発は7日の楽天戦以来、通算9度目。本塁打、そして77打点と打撃2冠を走る。それ以上に自ら評価したのが、勝ち越し直後8回1死一塁で迎えた4打席目だ。

 粘る間に源田が二盗を決め、5球目に申告敬遠で歩かされた。勝利を決定付ける外崎の2点三塁打が出た。「あそこも我慢。3打席連発打ちたいところ。でもああして点が取れたならそれが一番。ホームランは点を取る手段の一つでしかない」。4番が点火し、つなげた打線は、この回4得点で逆転した。

 開幕から一度も首位は譲っていない。4番に座り続ける26歳は「一年間出続けたこともまだない。優勝争いの重圧も正直分からない。それより自分の打撃をまずすること」。強打線の中心にガジュマルの大木のようにどっしり根を張る、真の4番像が似合ってきた。 (後藤 茂樹)

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