帰ってきたセーブ王 巨人・西村、いつかはチーム支える大事なピースに

[ 2016年6月10日 10:51 ]

6月4日の日本ハム戦で8回から登板した西村

 本拠地の東京ドームで行われた6月4日の日本ハム戦(東京ドーム)。8回、投手交代がアナウンスされた。「西村健太朗」。右翼席のG党が橙色のタオルを振り回す。「お帰り!」、「健太朗、頼むぞ!」。あちこちからそんな声が聞こえてきた。昨年3月28日のDeNA戦(東京ドーム)以来、434日ぶりの1軍マウンドだった。

 昨年9月の右肘のクリーニング手術から復活した。久々の晴れ舞台に緊張の面持ちだったが、そんな心境はボールに伝染してしまった。死球と連打でいきなり無死満塁のピンチを迎えた。「開き直ることができなかった」が、迎えたレアードを空振り三振に仕留めた。

 これで落ち着くと、代打・矢野を一ゴロ。最後も谷口を見逃し三振に仕留めた。「正直、ずっと緊張していた。ホッとした」。スタンドのファンも同じ気持ちだったに違いない。試合後には駐車場へと続く通路で、多くの報道陣に囲まれた。戸惑った表情を浮かべながらも、立ち止まり、最後まで丁寧に答えた。

 「(内容に)納得はできませんけど、戻って来れたことはうれしいです」。マウンド同様に大粒の汗を拭った。実直な男は困難な一年を乗り越えて、変わることなく帰ってきた。昨季前半は不調。「なかなか思うようなボールが投げられない」。シャドーピッチングやブルペン投球で、フォームのバランスを何度も修正した。それでもなかなか兆しが見えなかった。

 追い打ちをかけるように、ファームの試合で登板中に顔面を打球が襲い、しばらくは戦線離脱を余儀なくされた。そして右肘の違和感を発症。「悩みましたけど、それが一番の道だと思うので」。踏んだり蹴ったりのシーズンにけじめをつけるため、今季の戦力になるためにも、患部にメスを入れる決断を下した。

 13年のセーブ王。復帰登板でも150キロ超の直球を計測するなど、ポテンシャルは高い。まだ勝ち試合を任されるまでの地位を築いていないが、高橋監督も「宮国、西村あたりが力をつけて、どんな場面でもいけるようになってくれれば」と期待値は高い。山口、マシソン、沢村の勝利の方程式へのつなぎ役。本来の力を取り戻せれば、3投手が不調の時に取って代わる力も持っている。

 昨季から続く貧打。支えるのは、エース菅野を筆頭とした投手陣だ。その大事なピースになることができるか。西村が再スタートを切った。(川手 達矢)

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