大塚監督母死去…東北福祉大 壮絶に散る 逆転サヨナラ負け

[ 2016年6月10日 05:30 ]

<上武大・東北福祉大>上武大にサヨナラ負けを喫し、試合後の会見で顔を手で覆う東北福祉大・大塚監督

全日本大学野球選手権第4日・準々決勝 東北福祉大4―5上武大

(6月9日 神宮)
 東北福祉大のミラクルな逆転劇は実らなかった。0―3の9回に3者連続適時打で4点を奪ったが、その裏にエース城間が2失点し逆転サヨナラ負け。

 この日午前0時半に死去した母・孝子さん(享年84)に白星を届けられなかった大塚光二監督は「よく粘った。最後は夢を見させてもらった」と選手をねぎらった。

 未明に姉からの電話で母の訃報を知り、「あまりにも突然でビックリした」という。約半年前に神戸市内の病院に入院し、手術を受けるなど闘病を続けていた。最後に会ったのは、リーグ優勝後の約1カ月前だった。

 昨年7月に母校の監督に就任。7日の1回戦で母に全国初勝利を届けた。この日は、午後7時から神戸市内で通夜が営まれたが、長男で喪主の大塚監督は「全国大会で気持ちが張っていて、悲しみとか頭が回らない」と指揮に専念。選手にも伝えなかった。9回に代打で一時勝ち越し打の古川は「選手に気を使わせまいとやってもらい、感謝したい」と目を潤ませた。

 優勝した04年以来の4強入りはならなかった。10日に神戸市内で営まれる母の告別式に出席する大塚監督は「もう一回チームをつくり直します」と秋を見据えた。 (青木 貴紀)

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