ダル 異変降板 術後“誰もが通る道”も「ちょっと怖かった」

[ 2016年6月10日 05:30 ]

<レンジャーズ・アストロズ>5回に右肩と首のストレッチを繰り返すダルビッシュ

ア・リーグ レンジャーズ1―3アストロズ

(6月8日 アーリントン)
 レンジャーズのダルビッシュ有投手(29)が8日(日本時間9日)、先発したアストロズ戦で右肩に張りを訴え5回76球を投げた時点で大事を取って降板した。3安打1失点で勝敗に関係はなかった。昨年3月に右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、本人は復帰過程で見られる症状で問題はないと強調。肘に異常はなく次回登板も大丈夫との見通しを示したが、今後の経過が注目される。

 5回2死からアルテューベを四球で歩かせると、ダグ・ブロケール投手コーチ、トレーナーが心配そうに駆け寄った。ただ、ダルビッシュは笑顔だった。そのまま続投。次打者を打ち取り、この回限り76球で降板した。

 「(5回は)真っすぐを投げるのがちょっと怖かったからチェンジアップ気味に投げました」

 序盤、最速98マイル(約158キロ)を連発した速球は、5回に入ると90マイル(約145キロ)を下回った。マウンドで再三、右肩付近を気にするしぐさも。異変は明らかだった。

 球団発表は「右肩の張り」。ダルビッシュは「首から鎖骨あたりの張りを取れば問題ないと思う。明日は普通にキャッチボールできると思います」と説明。チーム医師の診察も受け、深刻な問題はなかった。本人によると、4回終了後に首から肩にかけて張りを感じたという。5月のリハビリ登板中にも似た箇所に張りを覚え、マッサージ治療は連日受けてきた。「トミー・ジョンの後だから、いろんなところが痛くなったりすると言われている。“これが普通だ”と」。完全復活への「通過点」とした。

 復帰3試合目。初回に先頭打者アーチを浴びたものの、それ以降は失点を許さなかった。「制球に苦しんだが球自体は凄く良かった。最後も抜きながらも0点に抑えられた。凄く良かった分、張りが出てしまったのかな」。心配される手術箇所への影響も「肘とかは何もなかったので」と表情に暗さはなかった。

 次回について「(現時点では)多分大丈夫」としたダルビッシュに対し、ジェフ・バニスター監督は「楽観も悲観もしない。医療スタッフの意見も聞き、経過を見ていきたい」と冷静に話した。トミー・ジョン手術は復帰後も繊細なケアが求められる。球団も細心の注意を払うことになる。(後藤 茂樹)

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