狙え流行語大賞!?「ヤクルトスタイル&スマイル」誕生秘話

[ 2015年9月9日 09:10 ]

笑顔の(左から)小川、山田、雄平。実りの秋に、最高の「ヤクルトスマイル」を見てみたい

 シーズン序盤のことだった。ヤクルト・野村バッテリーコーチが言った。「俺ね、今年の流行語大賞狙ってんのよ」。真顔で宣言したその言葉こそ「ヤクルトスタイル」だった。

 「個々の力を集結してチームの力を出す。一体感を表す言葉」と野村コーチは込められた意味を明かす。自身のツイッターなどでも頻繁に使用して、ファンの間でも浸透してきた。しかし目標は流行語大賞だけに、それだけでは飽き足らない。選手ロッカーにある連絡事項などを記したホワイトボードにも毎日、毎日、「ヤクルトスタイル!!」と書き込んでいた。

 涙ぐましい努力は選手にも伝わった。大引、比屋根、小川らがヒーローインタビューの最後に「ヤクルトスタイルで頑張ります」と声を張り上げるようになった。8月9日の中日戦後。名古屋市内では選手、裏方スタッフによる決起集会が行われていた。締めのあいさつはチーム日本人最年長の石川。「優勝を狙える位置にいるし、残り試合も優勝目指してヤクルトスタイルで頑張りましょう」と言ったのだ。後からこのことを聞いた野村コーチは「泣きそうだよ、俺…」と大喜びだった。

 しかし道のりは険しい。感動的な決起集会からわずか2日後の8月11日だった。マツダスタジアムのホワイトボードにいつも通り「ヤクルトスタイル」と書き込んだ野村コーチだったが、試合前に高津投手コーチが「ヤクルトスマイル」に変えてしまったのだ。野村コーチは不満げだったが、そこから山中、小川による2戦連続完封劇。一気に「ヤクルトスマイル」も浸透した。

 2年連続最下位だったヤクルトが、今季はシーズン終盤まで首位争いを演じている。粘って粘って好投手を攻略したり、ミスをカバーし合ったり、先発投手の早めの降板を救援陣がしのいだり…。チーム一丸「ヤクルトスタイル」の戦いが目立つ。流行語大賞は難しいかもしれないが、リーグ優勝という栄冠が手の届く位置にある。残り19試合。「ヤクルトスタイル」を貫いて迎える実りの秋に、最高の「ヤクルトスマイル」は見られるのだろうか。(町田 利衣)

続きを表示

「第91回(2019年)選抜高等学校野球大会」特集記事

「稲村亜美」特集記事

2015年9月9日のニュース