阪神 掛布DCも来季続投!伊藤隼ら覚醒、球団内で高評価

[ 2014年8月28日 05:31 ]

来期も続投が決まった掛布DC

 阪神が、掛布雅之GM付育成&打撃コーディネーター(DC=59)に来季も若手育成を託す方針を固めていることが27日、分かった。就任1年目から伸び悩んでいた伊藤隼を覚醒させるなど、その手腕は球団内で高い評価を得ている。

 現役時代、一時代を築き上げた「ミスタータイガース」は、指導者としても一流だった。偉大なOBの力を、今後も生かさない手はない。阪神は来季以降も掛布DCに、若手育成を託す方針を固めた。球団首脳は、その手腕を高く評価する。

 「掛布さんには、来季も若手の育成をお願いしたいと思っています。今季は伊藤隼太も1軍に上がって、成績を残すことができていますからね」

 「DC効果」は就任1年目から如実に表れた。それを端的に物語る事象こそ伊藤隼の覚醒だ。11年ドラフト1位で入団。球団は即戦力の外野手として期待を寄せるも、昨季までの2年間の出場試合数は12年22試合、13年30試合にとどまった。

 そんな伸び悩む伊藤隼が、昨秋キャンプから臨時打撃コーチを務めた掛布DCに“師事”したことで、飛躍のきっかけをつかんだ。積極的にアドバイスを求め、「掛布イズム」を吸収した。今季は7月から1軍に昇格すると、過去2年間の計17安打をまたたく間に超え、27日時点で27安打をマークする活躍を見せている。相手先発が右腕なら、文句なしに先発を任される存在に成長した。「掛布チルドレン」の筆頭格として、師匠の確かな手腕をプレーで証明している。

 「若手の育成は、ある程度の長いスパンで継続してやっていかないといけないもの。コロコロと指導者が変わるのは、よくないと思うので」

 別の球団首脳が指摘するように、中長期的なチームづくりを図る上で若手の育成は最重要事項の一つ。外国人選手やFA選手に頼ることなく、自前の「生え抜き」を主力に育て上げてこそ、常勝軍団への道が開ける。

 もちろん球団は、これまでにも将来有望な選手をドラフトで獲得し、鍛えてきた。だが、芽が出ないまま2軍で選手人生を終える者も少なくなかった。そんな現状を打破するためのキーマンとして、掛布DCを招へい。そして、1年間で「伊藤隼の覚醒」という結果が出た。2軍には一二三、北條、西田、横田ら将来を嘱望される予備軍も続々と控えており、「DC制」を継続することによって、中長期的なチームづくりを進める。現状でリーグ2位の成績であることから、来季も和田監督の続投が基本方針となっている。今季と同様に、同郷の後輩を掛布DCが後方支援する。

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2014年8月28日のニュース