“一振不乱”イチロー最多200スイング

[ 2009年3月7日 06:00 ]

帰りのバスに乗り込み帰路に就くイチロー

 【侍ジャパン】イチローが一心不乱にバットを振った。神宮室内練習での全体練習前に早出特打を敢行。まずはティー打撃で37、フリー打撃で90スイングと振り込んだ。さらに通常の打撃練習でも73スイングを数え、計200スイング。広角に打ち分け、時には力を抜いてミートポイントや体重移動のタイミングなどを確認した。

 1番に座った5日の開幕・中国戦は5打数無安打。実戦では16打席連続無安打と結果が出ていない。バットを振り込むことで感覚を取り戻すしかない。200スイングは宮崎合宿以降では最多。帰りのバスに足早に乗り込むなど無言だったが、大一番へ向けて気持ちを高めた。
 なりふり構ってはいられない。フリー打撃の合間には、韓国の先発左腕・金広鉉と昨年の北京五輪で対戦経験のある稲葉に球種や軌道の特徴を聞いた。稲葉は「どんな感じ?と聞かれたので、こんな感じって答えました」と中身は明かさなかったが、準備にこだわるイチローの決意があった。
 韓国に対する警戒心は前回大会よりも強い。3年前には「戦った相手が“向こう30年は日本に手が出せないな”と、そんな感じで勝ちたい」と宣言したが、今大会前には「実力差がない限り難しいんじゃないですか」とライバル視するコメントを残した。前回大会では2敗(1勝)を喫し、出場しなかった北京五輪でも日本は金広鉉に苦しめられ2敗している。自身の復調なしには日本は苦戦を強いられることは必至なだけに、大会期間中にもかかわらず打ち込んだ。
 篠塚打撃コーチは「いい感じ。心配はしていない。本人が一番分かっている。(安打が)1本出れば変わる」と変わらぬ信頼を口にした。前夜の試合後には「(もどかしさは)あります。なかったら野球をやめます」と悔しさを口にしたイチロー。1番打者としてリーダーとして、チームに勢いをつけることしか頭にない。

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2009年3月7日のニュース