松坂必殺シュートだ!猛打の韓国倒せる

[ 2009年3月7日 06:00 ]

キャッチボールで調整する松坂大輔

 さあ日韓決戦だ!第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表は7日、宿敵の韓国代表と対戦。勝てば2連勝で東京ラウンドを突破する大事な一戦には、侍ジャパンのエース・松坂大輔投手(28)が先発する。6日の初戦で台湾を圧倒した強打の韓国打線を封じ込めるカギは内角攻め。昨季から使い始めたシュートで強気に懐をえぐる。練習後には、東京ドームで韓国―台湾戦を観戦し、倒すべき相手の姿を目に焼き付けた。

 東京ドームのネット裏。正捕手の城島とともに放送ブースに陣取った松坂は、初回に6点を奪った韓国の猛攻をしっかりと目に焼き付けた。相手に不足なし。逆に闘志がかき立てられる。5回終了を待って球場を後に。厳しい表情には24時間後に迫った決戦に懸ける思いがにじみ出ていた。
 最大のライバル打倒へ、とっておきの秘策は「シュート」だ。宮崎・南郷で参加した2月の西武キャンプから、精度を磨き続けてきた武器。これまで実戦で使用する機会も少なく、相手からすればベールに包まれたままだ。「僕自身も去年から投げ始めたボール。データも少ないし、ある程度使えるボールになると思う」。この日のために。そう松坂は強調した。
 なぜシュートか。特に過去の対戦が少ない相手には、内角を厳しく攻めるのは鉄則。現に3日の巨人―韓国戦(東京ドーム)では、巨人投手陣が積極的に内角を突いて完封勝利を挙げたばかりだ。韓国打線の4、5番は右の大砲タイプ。松坂は昨夏の北京五輪で、06年の韓国3冠王・李大浩が和田(ソフトバンク)から直球を左翼席に運んだシーンをテレビで見ており「腕の畳み方がうまい。外角も手が届く。きっちり投げ分けないといけない打者」と話している。ベース幅をいっぱいに使った横の揺さぶりでの勝負。プランは頭の中にインプットされている。
 「それに僕のシュートは投げ方が一緒でも、低めに行けばシンカー気味に沈む。(打者が)簡単に手を出してくれれば、アウトカウントが稼げる」。70球という球数制限を考慮しても、シュートはまさに“使える”ボールだ。松坂は東京ドームでの敵情視察前には、午後2時から神宮室内での練習で決戦に備えた。登板に備えて髪を切りそろえ、同い年の杉内とキャッチボール。バットを握って素振りをするシーンもあった。バスに乗り込む際には、報道陣に向かって「頑張りま~す」と明るい口調で話した。
 松坂にとって韓国は00年シドニー五輪で2度対戦し勝ち星なしの1敗。自身が出場しなかった昨年の北京五輪でも日本は2敗を喫している。最大のライバルを倒すのはエースだからこそ、の使命だ。「彼に任せている。松坂大輔らしい投球をしてほしい。やってくれるでしょう」と山田投手コーチ。前回WBCでも台湾との第2戦に先発して白星。チームに連勝での1次リーグ突破をもたらした。3年前の再現。松坂の右腕が侍ジャパンの命運を握る。

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2009年3月7日のニュース