イチ、2、3安打で息を吹き返した!

[ 2009年3月7日 23:57 ]

4回、韓国三塁手の失策で生還し、ベンチ前で笑顔を見せるイチロー

 【日本14-2韓国】イチローの視界の端に、相手三塁手の巨大な身体が入っていた。「大きいですからね。あのサイズのサードは見たことがない。特にアジアではね」。2回無死一、二塁で絶妙のバント安打。一気に流れを引き寄せる小技はリードオフマンの感性から生まれた。

 「(2人の走者が)進むことが優先。でも(転がせば)進むことは間違いない」。程よく勢いを殺した打球は三塁線を這うように転がった。ほぼ定位置の三塁手はほとんど動けない。マウンドから駆け降りてきた左腕投手を慌てさせるには十分だった。
 不振にあえいでいたイチローが、この試合の攻撃のテンポをつくった。1打席目は2球目を右前にライナーで運び、中島の中前打で二進。青木の中前打で先制ホームを踏んだのはプレーボールからわずか3分後だった。
 だれよりも大きな期待を背負いつつ、初戦の中国戦は無安打。それでも平然としていたのは強がりでも何でもない。だれよりも自分の身体をよく理解し、だれよりも技への自信があったからだ。
 「紙一重でしょう。そう思います」。3安打で息を吹き返した日本のチームリーダーは、1次ラウンド最大のライバルを粉砕しても気の緩みはない。次の戦いも張り詰めた気持ちを持続して臨む。

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2009年3月7日のニュース