G1周年記念競走展望

【G1福岡チャンピオンC】勝利にどん欲 「新世代の旗手」岡崎

[ 2014年11月12日 05:30 ]

地元周年制覇に並々ならぬ闘志を燃やす岡崎恭裕
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 ボート界のスター選手が集結し、秋の博多でチャンピオンを決める戦いが始まる。ボートレース福岡のG1開設61周年記念「福岡チャンピオンカップ」が今月13日から18日まで6日間の日程で、熱戦が繰り広げられる。賞金ランク上位18人が出場する年末の平和島グランプリを懸けたマネーバトルも、いよいよ佳境。賞金ランク18強入りを目指す者、地元水面で闘志を燃やす者、思いはさまざまだが、それぞれ目指すは頂点のみ。例年以上に激しい覇権争いとなることは間違いない。熱いドラマを目に焼き付けよう。

◆「福岡だけは特別」 地元周年Vは譲れない

 今年もまた岡崎恭裕にとって、勝つことを純粋に追い求める特別な戦いが幕を開ける。元志、仁志の篠崎兄弟が不在の地元G1で、新世代の旗手として岡崎が担う役割は大きい。
 
 「やまと学校に入る前から、ここでSGやG1といった大きいレースを勝つことを目標にしてきた。育ってきた水面だし、福岡3場の中でもやっぱり特別ですね。勝ちたい気持ちは、福岡しかありません」 10年5月、浜名湖オールスター(笹川賞)で圧巻のSG初制覇から、はや4年。12期連続でA1級をキープし、確固たる地位を築いているが、当時の昇り竜のような勢いを考えると、いささか近況に物足りなさを感じるのは否めない。「リズムというのは自分の中では、ないと思ってます。ただ、結果がついてくるかどうかですから」。前期は久々に勝率でも苦しんだ。

 「かなりやばかったですね。芦屋のお盆レースとか一般戦が多くなったので、だいぶ上げられたけど、7~8月くらいは、5・50くらいしかなかったんじゃないかな。毎回予選を突破していたわけでもないし、準優に乗っても、4、5日目の成績を落としてましたからね」

 そんな不振を振り払うようなレースを見せたのも、また博多だった。8月の若松ボートレースメモリアル(MB記念)以来、33日ぶりの実戦だった10月の当地一般戦で、約1年ぶりとなる今年初優勝を準完全Vで達成。熱い気持ちを結果に結びつける強い岡崎の姿を、久々にファンにアピールした。

 「博多では、いいエンジンがよく引けているのもあるけど、やっぱりここだけは特別なんです。たとえいいエンジンが引けなくても優勝できる足になるまで妥協はできない。ペラなり、エンジン整備なり、なんとかして優勝できる足にしたいですね」

 9月末に住之江で行われたトークショーでは「11月にある福岡の地元G1で優勝します」とメッカのファンにも力強く宣言して帰ってきた。“有言実行”。昨年は後輩の篠崎仁志が制した地元周年記念で、今年は俺がやる!!

◆岡崎が語る福岡水面攻略

 博多の水面ですか?選手として、やることは他場と変わりませんよ。でも、ここは一番予想しやすいような気がするんですけどね。展示タイムが参考になるし、エンジンも良しあしがはっきりしてますから。センター、アウトから買って配当がつくから、ファンの方は面白いんじゃないですかね。

 1コースが弱い理由としては、ここのインが他場よりも難しいというのがありますね。進入で幅の取り方が難しいし、インはある程度張ってから回らないといけない。落としすぎると捲られてしまいますからね。基本的に出足がきてないと厳しいところです。あとは自分のターンをしっかりできるかが、ポイントだと思います。

 1Mのウネリもあるけど、2Mもターンマークとスタンドまでの距離が意外に広いので、返し波があります。走り慣れていない選手はウネリに敏感なので、そういう意味では、地の利があると思います。博多ではウネリに負けない回り足と行き足、回ってからの足を特に重視しています。いい時の体感があるから、ズレている時はすぐに分かる。言い方は悪いかもしれないけど、エンジンが仕上がれば楽ですよ。

◆先行予想

 出場52人の中でも、やはり注目を集めるのは初日、2日目に行われる2つのドリーム戦に出場する12人だろう。2日目6号艇の前田将太を除けば、全員がSGレーサーという超豪華な布陣だ。

 優勝戦線をけん引するのは、初日ドリーム1号艇で出場する地元エース・瓜生正義。当地周年記念は07年に制覇しており、09年オールスター(笹川賞)、11年メモリアル(MB記念)とSG2勝。「地元でもやるべきことをしっかりやって、いいレースをするだけですよ」。10月の住之江G1高松宮記念でピット離れの際に右手小指を脱臼した影響が心配されたが、直近の宮島G1(鳴門周年の代替開催)でもパワフルな走りで、健在ぶりを示した。主役の座はガッチリと守る。

 王者・松井繁は2日目ドリーム1号艇で登場。今年は3月に尼崎SGクラシックを制し、賞金ランクは堂々の2位。年末のグランプリに向けて、無理をする必要のないポジションだが、そこはボート界の王者。「流れは来るものではなくて、自分で引き寄せるもの」という持論通りに、好勝負を展開。好リズムを保って勝負の師走に突入する。

 年末に地元平和島でグランプリが開催される浜野谷憲吾の奮起にも注目したい。今月25日から下関SGチャレンジカップを控えるが、現在賞金ランク30位と厳しい勝負駆けを強いられる位置にいる。SG初優勝を飾った得意の当地水面で好結果を残し、メドを立てたいところだ。

 8月の若松SGメモリアルでは内枠3艇を独占した末に、白井英治がSG初載冠したように、今年は山口勢の活躍が目立つ。総大将・今村豊も賞金ランク8位とグランプリへ当確ランプをともしている。当地ではSG、G1をそれぞれ1勝と実績にも申し分がない。衰えを知らぬ全速旋回で魅了してくれるだろう。

 もちろん岡崎恭裕、前田将太の初G1制覇を待ち望むファンも多い。昨年は篠崎仁志が07年瓜生正義以来、6年ぶりに地元勢が周年記念を制した。この流れに続けとばかりに、高いモチベーションで壁を乗り越える。

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