G1周年記念競走展望

【G1児島キングC】地元勢充実 “強力岡山打線”連覇狙う

[ 2015年11月13日 05:30 ]

地元・岡山のエース、茅原悠紀
Photo By スポニチ

 ボートレース王国・岡山の完全復活近し!13日から6日間の日程で開催されるボートレース児島のG1「児島キングカップ」。総勢9人で挑む岡山支部が熱い。昨年は吉田拡郎、茅原悠紀がSG制覇を果たし、さらに山本寛久が初G1を獲るなど勢いたっぷり。思えば昨年は川崎智幸が24年ぶりとなる地元勢による周年タイトルを勝ち取った。もうどこにも渡さない。切れ目のない“強力岡山打線”が猛攻撃で連覇を狙う。

 ◆エースで4番 茅原
 ~昨年の賞金王 本領ここから~
 エースで4番の証である。地元ドリームで1号艇。住之江なら松井繁が座り、蒲郡、とこなめだと池田浩二が陣取る。今回の児島周年2日目ドリームの1号艇は茅原。誰もが認める岡山支部のエースで4番である。

 ただ昨年のグランプリを勝ったことを思えば今年の航跡はちょっと物足りない。SGで結果を出せていないためか、インパクトも薄め。賞金ランク20位に甘んじている。

 「今年は満足してませんよ。今の実力が現状。でも昨年も今と同じような場所からうまくいきました。最後は気持ち。あきらめず、目の前のレースに集中するだけです」

 20位という現状が逆に茅原の闘争心を研ぎ澄ませる。さあ、追い上げ開始。この時期に地元でG1があるというのは、大きなアドバンテージだ。

 「下関周年(10月中旬)で自分の中でこういうペラ調整ができるというのは見つけられたかな。今後はやり残すことのないように頑張っていきます。あきらめません」

 トップレーサーにとって11月の持つ意味は大きい。昨年覇者が不在ではグランプリの盛り上がりも欠けるというもの。地元G1をかっさらって一気に当確モードへと突入してほしい。ファン、関係者ともボートレース王国・岡山のエースらしい走りを期待している。

 ◆ここが勝負 吉田 地元G1は大チャンス
 ~最低体重1キロアップ追い風~
 茅原と両輪で岡山を引っ張る存在だ。昨年、SGウイナーに仲間入りした吉田。グランプリ出場が1年で終わらないためにも茅原同様、地元G1は重要になってくる。

 「期初めの5月にFを切ったことを思えば頑張れてます。記念やSGで準優に乗れているので、地力は付いたのかなと。優勝戦まで行けてないのはエンジン出しが足りなかったからでしょう」

 冷静に今年の自らを分析した。F持ちで走り続けながら賞金29位。選手としての戦闘能力はかなりアップしている。あとはマシンの部分。低出力タイプのエンジンにやや惑わされているのか。

 「このエンジンは研究中です。ここ2節の児島もエンジンの出方がよろしくなかったです。もっと上位に仕上げないと」

 スカッとした答えはまだ出ていない。ただプラス材料もある。最低体重が1キロ増えたことだ。

 「これはでかいです。最近の記念はずっと52、3キロで入って51キロ台で走ってました。やっと減量にもエンジンがかかってきたし、この部分は気合を入れていきたいです」

 50キロで走る選手と1キロも差が縮まる。この1キロが出足の部分で大きい。エンジン出しにもプラスに働くのではないか。

 「後がないので、児島で勝負を懸けます」と最後まで頼もしい。一気の賞金ランク上積みへ。やはり有力な優勝候補だ。

 ◆狙うは2年連発 川崎
 ~昨年再現だ~
 24年ぶりの悲願だった。昨年の当大会。川崎が見事に優勝した。38周年の林貢さん以来、24年ぶりに地元選手がV。久々に美酒を持ち込んだのは、やはり川崎だった。 
 「来年から若手たちが勝ち続けてくれることでしょう。ボクはSGを獲りに行きたいです」

 優勝インタビューでこう語った。今の岡山勢なら児島周年連覇は可能だし、自らもSGで活躍する手応えを感じていたわけだ。その言葉通り、今年はオーシャンカップで優出。まだまだ元気だ。

 今大会では連覇という2文字がつきまとう。もちろん本人からすれば、どこふく風。地元の看板として背中で後輩たちをリードし、岡山支部をけん引するのみだ。その結果、連覇という結果が伴えば、言うことはない。

 ◆無欲で一発 山本寛
 ~直前Fもなんの~
  ようやくと言えばいいか。昨年の若松周年でG1ウイナーに仲間入りした。長身から繰り出すしなやかなターンは実に魅力的。G1を勝つのがやや遅かった?ただ、その後はG1で大きなヒットは出ていない。

 「このエンジン(出力低減型)になってから、いいときの悪い時の差がすごく大きいですね」

 出力低減型はエンジン差が大きい。その影響をまともに受けている。ただ、こうも付け加えた。

 「いいエンジンが多い記念の方が今は成績がまとまってます。ちゃんとしたエンジンなら、レースに集中できますね」

 今回も上位エンジンから順に登場する。他との比較より、納得の足に仕上げるのみの山本にとっては戦いやすいのだ。

 「昔みたいにオレがやってやろうっていう感じはないですよ。気負うことなく頑張りたいです」

 来年は40歳の大台を迎える。直前節に切ったFも何のその。大人の走りでファンを酔わせる。

 【先行予想】
 ~賞金加算へ燃える地元・茅原&吉田~
 賞金レースも佳境に入っている。月末のSGチャレンジカップが最終関門。とはいえ、このG1賞金もかなり大きい。6位以内を目指す選手、18人入りを目指す選手は目の色を変えてくる。そう考えると茅原、吉田は目イチの勝負。この時期に地元水面でG1が行われる幸運を味方にV街道を走りたい。ともにドリームにも選ばれた。初日ドリーム5号艇の吉田は3連単に絡みたいところ。2日目1号艇の茅原は何が何でも逃げなければならない。両者とも首尾良く滑り出せば、視界は大きく開けるだろう。

 遠征陣では太田、田中の大阪支部両雄も気合が入る。狙うはグランプリ第1ステージが免除される賞金6位以内。大きく上積みしてチャレンジカップを迎えたい。太田も田中も近況の調子は上々で、有力なV候補だ。

 賞金19位より下の選手も茅原同様、今節の結果次第でチャレンジカップの勝負駆け条件が変わってくる。24位の今村、25位の深川はいつにも増して大切なシリーズだ。賞金30位の菊地もここらで奮起しておきたいだろう。

 最後にオススメエンジンを挙げておく。マスターズで今村豊に完全Vを届けた46号機。ここに来て完全に息を吹き返してきた。さらに複勝率50%を超える55号機。先月末には新人にデビュー初白星を提供している。そしてもう一つ、51号機もプッシュしたい。とにかく最近の上昇率が驚異。3基の行方に注目しよう。

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