G1周年記念競走展望

【G1尼崎センプルC】次世代の地元エース・藤岡 勝負の一年

[ 2016年1月11日 05:30 ]

兵庫支部の次世代エース候補、藤岡俊介
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 ボートレース尼崎の開設63周年記念「G1尼崎センプルカップ」は12日から17日まで開催される。昨年、一昨年は6月に行われたが、今年は恒例の1月開催。新春の風物詩がセンタープールに戻ってきた。地元・兵庫支部から計8人が参戦するが、次世代のエース候補・藤岡俊介にインタビュー。今年にかける思いを聞いた。

 ◆藤岡俊介インタビュー
 ―新年を迎えるにあたり2015年を振り返って。

 14年の末にフライングで11、12月と走っていなかったので(年明けからも)レースに慣れていなかったんです。全然勝率を取れなくて、練習に行ったりして、だんだん慣れてきて。GW(六甲賞)に優勝できた時に、何ていうのか、レースの仕方ですかね。ええ感じやなと思っていたら、今度はケガをして…。肉離れ、筋断裂なんですけどね。また1カ月ぐらいレースができなくて、久々に走るとやっぱりレースに慣れなくて…。そこからは徐々に調子が上がるというか、勝率が取れるようになりました。

 ―16年前期適用勝率は、6・86の自己最高。

 そうですね。最近はあまり良くなくて、ボーダーギリギリのA1とかもありました。

 ―次は7点オーバー。SG出場が目標?

 7点目指して頑張っています。やっぱり目標はそこ(SG)になりますね。吉川(元浩)さんと出たいです。師匠と一緒に。(後輩の)高野(哲史)も最近調子がいいので、負けんように。頑張りたいと思います。

 ―同期の稲田浩二はSG出場を決めている(昨年はダービー出走)。

 うーん。まあ、ちょっとはね。意識してない言ったらハイ、うそになるんですけど…。

 ―ダービーも狙える位置(5日現在70位)。

 え?(しばらく沈黙)ホンマっすか。マジですか。あ、そうなんすか。知らなかったです。それは…。じゃあ、頑張りたい。SGは、ずっと出たいというのがあるので…。

 ―今年は尼崎でSGオールスターが開催される。

 まあ、こればかりは分かんないけど。僕、人気ないから(笑い)。総理杯(ボートレースクラシック、昨年は尼崎で開催)とか行きたかったんですけどね。僕、優勝が少ないんで。

 ―優出回数に比べて優勝回数が少ない。

 勝負弱いんで…。はい。1号艇でも何回も飛んでるし。遅れて捲られたりとかもしてます。そのへんの決定力とか、そうですね。優勝回数を増やして総理杯に行きたい。出たいですね。

 ―低出力エンジンに替わっての調子は?

 だいたい同じようなペラの形で走ってるんですけどね。低出力エンジン一発目で乗って、なんかええ感じやって、そっから同じような感じで叩いて行ったら、まあどこでもなんとなく走れるんで、それでずっと行ってるんですけど。

 ―高野選手とは一緒のペラの形?

 はい。そうですね。同じ感じですね。出足、行き足。伸びも悪くはないけど。 

 ―レーススタイル的には伸びも求めたい?

 いや。どちらか言うと伸びは気にしてないんですけど。吉川さんには、それじゃアカンって言われました。

 ―オフの過ごし方は?

 休みの日ですか。ペラをたまに叩きますけど。釣り、ゴルフとか。先輩たちに誘われて。嫁さんと旅行とか、買いもんとか。レースに行っていい感じやなと思ったら、形を覚えて家で叩いてゲージを作ったりします。

 ―吉川選手のアドバイスを聞くことは?

 最近は、あまり聞いてないなあ。自分でいろいろ考えてやってます。

 ―選手になった理由は?

 親父が好きで、小さいころから連れて行ってもらって。ギャンブル全般ですけどね。ボート選手、ええぞみたいな感じでずっと言われてたんですけど。高校入って進路考えた時に。収入いいし…っていうような感じですね。

 ―1回で合格?

 3回目ですね。最初は92期で受けて、1次試験受けて2回すべって、次はどっちも合格しました。

 ―地元周年が1月にあって幸先良く決めたいという気持ちは?

 やっぱりそれはあります。地区選もここであるから。まずは優出したいですね。

 ―記念での走り。一般戦との違いなど。

 う~ん。あんまり走ってないんでね(笑い)。桐生(昨年9月選抜4着)は良かった。準優には乗れてるんですが、6号艇とかギリギリで乗るんじゃなくて、もっといい枠で乗りたいですね。はい。

 ―地元でのスタートは見えている?

 見えてるというか。頑張って行ってるんですよ(笑い)。お客さんががっかりするので(笑い)。

 ―同期の小坂、稲田が不在で地元の若手は1人。

 小坂くんF2だから(稲田は出走回数不足でB1級)。そうですね。高野もおれへんし…。自分が若手と言えるかどうかは分からないですけどね(笑い)。

 ―結果を残す1年に。

 勝負の1年と考えて行きます。フライングは、もうしないように。僕は休んだらモロに悪い方に出るタイプなので。10日とかでも休むとあまり良くない。仕事から離れたくないですからね。できれば。

 ―約10年前から数年間、魚谷や吉川らがSGを獲るなど兵庫支部は隆盛を極めた。第2期黄金時代の到来は?

 はい。そうですね。グランプリシリーズの前に吉川さんと忘年会とかしてたんですけどね「(兵庫支部は)1人やからな…」って。若いので盛り上げなアカンですね。頑張りたいと思います。記念にたくさん呼んでもらえるには、まずは勝率取らなアカンのですよね。7点取って、呼ばれんことにはSGも出られないし。勝率残して記念行って、しっかり準優に乗ります。オールスターはまあ、こればかりは(笑い)。

 【先行予想】松井V候補筆頭
 ~“センプル軍団”吉川 魚谷ら迎撃~
 16年新春第1弾のG1開催にふさわしく、SG級が集う豪華な布陣となった。やはりV候補筆頭は、尼崎水面をドル箱としている松井繁だろう。09年10月SGダービー、14年3月SGクラシックを制するなど、尼崎では過去27優出14Vの実績を誇り、尼崎周年も3回の優勝歴がある。残念ながら昨年の住之江グランプリではファイナル進出とはならなかったが、得意の尼崎でG1奪取を果たし、幸先良く賞金レースをリードしてきそうだ。

 ここに迫るのはやはり、地元“センプル軍団”だ。昨年の住之江グランプリシリーズで優出【4】着の吉川元浩(尼崎周年5回優出)をはじめ、魚谷智之(08年覇者)勝野竜司、馬袋義則らSGホルダーが迎え撃つ。金子龍介(3回優出)吉田俊彦(10年覇者)松本勝也(4回優出)藤岡俊介らは現行エンジンの経験値も高く、地の利を生かした走りに期待できる。

 昨年9月、当地でG1ヤングダービーが開催されたが、優出【3】着の篠崎元志、【5】着の西山貴浩、【6】着の渡辺和将が今回登場する。篠崎元は住之江グランプリ優出【4】着で賞金ランク4位の活躍だった。弟の仁志も参戦するが、仁志は13年の尼崎周年がG1初優出(【3】着)など当地相性のいい選手の1人だ。準地元の秦英悟、当地実績の高い上野真之介の活躍にも注目したい。

 他では白井英治が当地SGでの実績が高く、09年ダービーで優出【2】着など、尼崎のビッグレースではエンジン出しに定評がある。

 【ドリーム戦展望】
 ◆初日12R センプルドリーム戦
 初日注目のメーン12Rは、センプルドリーム戦。尼崎をドル箱にしている松井を不動の本命に押す。「尼崎は育ててもらった水面なので地元と変わらない思いがある」と常々話しているように、当地との相性は申し分ない。絶好枠を生かしての先制が濃厚だ。吉川は好位から真っ先に差して追走態勢に持ち込む。当地巧者の白井は、センターから柔軟にさばいて内2艇のスキをうかがう。菊地はカドに陣取り本領のS攻勢に出る。菊地が強気に仕掛ければ、田村がソツなく展開を割ってくる。篠崎はコース不利をスピードで補う。

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