G1周年記念競走展望

【芦屋G1 全日本王座決定戦】G1初戴冠の地元ホープ 羽野直也を直撃

[ 2017年12月5日 05:30 ]

地元周年に挑む羽野直也
Photo By スポニチ

 ボートレース芦屋の「開設65周年記念G1全日本王座決定戦」が6日、師走決戦の幕を開ける。リズムを上げたいグランプリ出場選手、来年の浜名湖クラシックの出場権を懸け熱いバトルが繰り広げられる。今節注目はホームプール芦屋に育てられ、前期初のA1入りからG1初Vを決めた羽野直也だ。芦屋を最も得意としているのが昨年の周年から連覇中の峰竜太。3連覇を成し遂げグランプリに殴り込むか。平高奈菜、遠藤エミ、小野生奈の女子3人もレースを盛り上げる。

◆羽野直也インタビュー

 前々期に初のA2に昇格した羽野直也。1期で素早くA1に駆け上った。そして10月の大村周年記念でイン原田幸哉を差し切りG1初戴冠。今回はその勢いづく羽野を直撃―。

―芦屋は昨年準地区スター(現フレッシュルーキー)としてよく走った。

羽野 ハイ。追加の2節を入れて16節。記者さんから16節目と言われて覚えています。

―そして芦屋で初優勝。今年も2回目のVを決めた。

羽野 ホームプールである芦屋が自分を育ててくれました。昨年7月、そして今年5月、ともに5コースからでした。捲りと捲り差しです。

―5コースが得意?

羽野 やっぱり5コースで結果が出てるし好きですね(笑い)。

―A2は1期でA1に上がった。

羽野 A1になるんだと強い気持ちはありました。記念を走ってみたいから。

―G1を初めて走ったのは?

羽野 正規あっ旋は7月の浜名湖周年だったんですけど、6月の住之江周年の後半2日が追加で入ったんです。

―初G1は緊張した?

羽野 篠崎元志さんに仁志さんがいて、ペラを聞きに行ったんです。そうしたら「何ペラを聞きにきよるん?楽しんで無事故で帰れ」と仁志さんに言われて、一気に楽になりました。

―その住之江を含めG14場所目の大村周年で優勝。

羽野 あのときは元々エース機だっらしいけど、伸びでやられる人もいたし、上位で出てたのは5基はありましたよ。

―しかし優勝戦の行き足は凄かった。

羽野 最終日は気温が上がって回転を上げていったんですよ。そうしたら行き足が凄かった。あの節で一番出てましたね。

―優勝戦は緊張した?

羽野 いや、シリーズ通して全然ありませんでした。

―でも、表彰式ではファンの前で顔がこわばっていたような。

羽野 いや〜、あのときが一番緊張しましたね。どんなことを聞かれるのか、どう答えたらいいのか。途中から落ち着きました。

―来年の浜名湖クラシックの出場権をゲット。

羽野 SGはめっちゃ走りたいし経験したいし足りないものをみつけたい。

―弟諒選手が11月に芦屋でデビューした。

羽野 今はボクは特に何も感じません。強くなってきたらすごく刺激になると思う。

―諒選手が元志&仁志選手のような兄弟レーサーになりたいと言っていた。

羽野 そう言ってましたね。でも、それは早すぎると言ってるんです。

―チャレンジカップは僅かの差で出場できなかった。

羽野 そうなんですよ。30万円くらい足らなかった。来年は出場できるように頑張ります。

―周年前に芦屋(11月17〜22日)を走って優勝。

羽野 周年前に走れたのは大きいですね。

―この時期、気候の変化や風の吹き方もかなり変わる?

羽野 前回走ったときもかなり変わったし、急に気候が変わっても対応できました。

―そのときは2連対率29%の低調機。エンジンを出す方向性が分かってきた?

羽野 前は出さないといけないと思ってたけど、今は悪いところを少しずつ直そうと思ってます。

―エンジン出しの方向性がつかめてきた?

羽野 ペラ調整の方向性がちょっとつかめてきました。

―最優秀新人賞はほぼ確定。

羽野 G1を獲ったけど、その前は仲谷選手の方が少しポイントアップだったんでしょ?G1を獲られたら自分は最優秀新人を獲れませんもんね。絶対獲りたいです。そのためにも今回も頑張りたいですね。

―今後の目標は?

羽野 先輩たちにまだ早いと言われるかもしれないけどグランプリ出場です。

―今回のノルマは?

羽野 予選突破。そこが一番大きいですね。応援よろしくお願いします。

 瓜生正義はデビュー時から現在まで何も変わってない。SGを獲って天狗になる訳でもなく、勝負どころで敗退しても、フライング2本犯しても「やっちゃった」ぐらいで尾を引くタイプでもない。いつもひょうひょうとしている。同じ筑豊生まれの羽野も恐らく同タイプ。どこまで駆け上がるか楽しみだ。あ、その羽野選手、彼女が今はいない。募集中で〜す。

◆総展望

 初日、2日目の最終12RでWドリームが組まれている。初日は峰。2日目は篠崎元志が軸となる。峰は「レース場の中では芦屋が一番好き」とキッパリ言い切る。それもそのはず。過去には地区選手権を含み4連覇の実績を持つし、昨年のこの大会を制し、今年9月のG3戦では王者松井繁を寄せ付けず、準パーフェクトV。過去に何度悔し涙を流してきたことか。そして最高の涙をファンの前で見せたのが7月のオーシャンカップでのSG初戴冠。「あれですっきりしました。もう泣きません」と涙を封印!? グランプリを控えスタートは無理できないが、エンジン出しには定評があるし、そのエンジンが持つパワーを100%出す自信を持っている。今年はSG初制覇で佐賀勢の“がばい旋風”に火を付け、三井所尊春はG1制覇、深川真二がダービーSG初戴冠。弟子の山田康二も先の下関CCでSG初優出。総大将の峰は暮れのグランプリで頂点に最も近い立場。その前に周年連覇、そして芦屋3連覇へ挑戦だ。

 勢いづくのは先の下関チャレンジカップを制し、グランプリ出場を決めた毒島誠。今年SG初優出。そして最後のチャンスをモノにしたのだ。芦屋は過去、6回しか走っていないが優勝の実績は残している。スピード戦でファンを魅了だ。

篠崎兄弟で芦屋と相性がいいのは兄元志。今年はグランプリには届かなかったが、芦屋の実績は兄が抜けている。過去20場所を振り返っても優出を外したのは3回しかない。ただ、優勝は1回のみ。あとは最後のツメだけだ。

今年の井口佳典は2月津地区選手権に3月徳山MB大賞を連続V。SGでは7月の丸亀オーシャンCで優出。下関チャレンジCで準Vと結果を残している。当然、V圏内だ。

 太田和美が前走の宮島G3で今年ようやく初Vを決めた。今年は昨年のF休みに今年もFを2本切っており、なかなかリズムに乗れなかった。ようやく歯車が合ってきた感じだ。今年ピリッとしないのは山崎智也、池田浩二も同じ。優勝も一般戦のみだ。池田は前走の常滑で優勝を決めての当地入り。波に乗れるか。山崎もこのままでは終われない。

 純地元で気合が入るのが川上剛と郷原章平。知り尽くしたプールでエンジンは出す。何とか一矢報いたい。羽野同様、今年急成長は仲谷颯仁。G1Vは羽野に先を越された。今回、予選突破なら優勝を狙いにスリットを攻めるだろう。

 女子3人組も盛り上げてくれる。スピード戦なら先の下関レディースチャレンジカップを昨年に続き連覇した遠藤だ。芦屋でデビューした小野は初1着も芦屋。8月に芦屋で開催されたレディースチャンピオンでG1制覇。先のレディースチャレンジCでは3日目に痛恨のフライングに散ったが、相性抜群の芦屋だけに心配はいるまい。平高も随所に魅せてくれそうだ。

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