G1周年記念競走展望

【住之江G1太閤賞競走】丸岡&湯川 地元勢“W年男”に注目

[ 2015年1月26日 05:30 ]

昨年は戸田周年を勝ちグランプリにも出場した丸岡正典
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 ボートレース住之江の開設58周年記念「G1太閤賞競走」(1月27~2月1日)がいよいよ明日開幕。今年もWドリーム戦(初日12R千成賞、2日目12R関白賞)のメンバーを含め豪華な布陣が出そろった。今回はその中から丸岡正典、湯川浩司の地元“年男”にスポットライト。また昨年のクイーンズクライマックスで惜しくもV逸した鎌倉涼の近況、注目エンジンも紹介する。

◆一昨年の覇者 再びVめざす丸岡 
 ピットではいつもひょうひょうとした趣。勝負師とはほど遠いおおらかなオーラを身にまとっている丸岡。ところがひとたび水面に飛び出すと闘争本能むき出し、目の前の獲物を捕らえるような鋭いレースでファンを魅了する。ダービーV2の実績がそれをしっかりと証明している。

 昨年も無心で走った結果が3度目のグランプリ出場につながった。

 「正直グランプリ(平和島)を走れるとは思わなかったですね。印象に残っている感じのレースも少なかったし満足できる一年じゃなかった。戸田(G1)で一発決めたのがラッキーだったんじゃないですか」

 賞金争いが激化してくる11月の戸田周年を4コースから捲り一撃で勝ったのは大きかった。ただ肝心なグランプリでは、トライアルファーストで1着を1本取ったもののエンジンが思うように仕上がらずファイナル進出には届かず…。

 「そうですね。グランプリはエンジン出しで通用しなかった。感性がないというか、恥ずかしい思いをしただけでした」

 それが尾を引いているわけではないだろうが、年明け一発目の地元住之江(王将戦)では勝率のないエンジンに少々てこずってしまい準王将位戦で惜敗…。

 「今節もダメでしょう(苦笑い)。でも住之江ならペラさえしっかりと合わせられれば走れると思ってますよ」

 太閤賞は一昨年に優勝の実績もある相性のいいタイトル。正月結果を残せなかったとはいえ“ひと叩き”しているのはやはり大きなアドバンテージだ。

 「太閤賞で優勝した時はエンジンは別格でしたからね。とにかくこの一年、ボクの課題はエンジン出しと思ってます」

 “年男”となる2015年も「いつも通り走るだけ」。タイトル奪還へ気負いはまったくない!

◆地元Vに向けて再起を期す湯川
 2年連続でグランプリ出場を目標にしていた昨年は湯川にとって納得のいかない1年だっただろう。とくに6月、過去にV3の実績を誇る最も得意とするグラチャン(浜名湖)で予選2日目に痛恨のスリットオーバー。これが後々にも影響したのか本来の速攻戦に陰りが…。

 「やっぱりフライングでリズムを崩してしまってあまり活躍できなかったですね。それにエンジンの仕上がりも甘いところがあって記念でも結果が出なかった」

 湯川といえば常に“快速”のイメージだが、確かに昨年はG1、SG戦での足負けもあったような気がする。それだけに今年に懸ける意気込みはかなり強い。

 「今年は頑張らなければいけないと思ってる。目標は(地元住之江に戻ってくる)グランプリ。そこは外せませんね。気合もけっこう入ってますよ」

 年明けの地元王将戦は最低ノルマの優出【3】着。ただエンジンの仕上がりを考えれば“初笑い”になってもおかしくなかったか。

 「いつもと一緒の調整をしてただけですけど、感性は間違ってないなあ~って思います」 

 同期の丸岡同様、こちらも調整面においては大きなアドバンテージを持っている。たとえ凡機を引いたとしても最低中堅級には持ってくるはず。もちろん実績機を引き当てるようなら、いつもの“快速王子”に変身してもらおうか。

 太閤賞は3年前に2号艇からピット離れで出切って服部幸男からインを奪取、そのまま押し切って優勝している。昨年も6号艇だったとはいえキッチリ優勝戦(【6】着)にはコマを進めている。

 「今年も頑張りたいですね」

 サラッと言った最後の言葉にも気合を感じた。今年の湯川はやってくれます!

◆年明け一発目でV 「福娘」襲名した鎌倉
 昨年地元住之江でクイーンズクライマックス開催が決定した時から鎌倉の思いは一つ。絶対にベスト12に入ってティアラを頭上に輝かせる! そのために大切なプライベートの時間も削り、レースではいつも以上に魂を込めて走った。

 その結果がベスト12入り。エンジン抽選ではエース機と評判だった37号機を引き当てる強運でファイナル進出を決めたが悲願のクイーンへは一歩届かず…。

 「スタートが全速で行けなかった。そこが自分の甘いところ」

 今まで味わったことのないプレッシャーを背負って臨んだクライマックス。その重圧から解き放された今年はノビノビとやってもらいたい。

 「去年全力を尽くしたんでひと休みしたいですね。今年はあえて目標を立てるのではなく、目の前の1走1走を大事にしてその結果がついてきたらいいですね」

 気分一心した年明け一発目の尼崎ではインからトップSを決め“福娘”を襲名。太閤賞にも弾みがついたか。

 「地元の記念を走れることがうれしいです。結果を考えずに目の前のレースに集中します」

 今年の鎌倉はひと味違います。

◆先行予想
 豪華布陣の今回も例年同様Wドリームが実施される。もちろんこの12人の中から“天下統一”を果たす選手がいる確率は極めて高い。

 V筆頭はやはり王者・松井。昨年グランプリは惜しくもファイナル進出を逃したが最終日の順位決定戦はしっかり押し切り2014年を締めくくった。年明け王将戦でも優出はしっかり決めている。初日は「千成賞」の絶好枠。しっかり逃げて勢いづけるか。

 田中はその王将戦で優勝。今期勝率も8点ペースをキープするなどただいま“好調モード”に滞在中。昨年グランプリで優勝戦【5】着だった太田は休み明けでこれが今年の初走り。とはいえ舞台が地元ならノーハンディに限りなく近い。2日目の「関白賞」は同期・田中とのワンツーが有力。太閤賞Vの実績がある丸岡(2年前)、湯川(3年前)、石野(4年前)も地力は十分。特に石野は今期に入って9優出V4とリズム良好だ。

 D戦以外にも吉永、岡村、西村、秦、鎌倉と総勢11人を送り込む地元勢の活躍に期待しよう。

 遠征陣では瓜生。今年一発目のG1唐津で8戦7勝というほぼ完ぺきなレース内容で圧勝V。当地との相性も地元勢にとっては脅威の存在になるか。一昨年の賞金王・池田も安定感たっぷり。唐津周年では瓜生に及ばずの優勝戦【2】着。今回はそのリベンジに燃える?山崎は昨年9月地元桐生周年を勝つと、そこからエンジン全開。宮島一般、当地高松宮記念と3連続優勝で一気にグランプリ入りを決めている。ただ年明けの唐津周年では2日目に転覆、帰郷が少々心配。篠崎は前走唐津周年【5】着を含め、年またぎで3連続優出中と好調。一方で吉川が前走唐津で今期2本目のF。昨年のディフェンディングチャンプに早くも黄信号。白井も年明け下関で優勝したものの前走唐津でF。強S勝負は封印か。他にも追加で登場の毒島、レース巧者の新田、スピード自慢の桐生にも注目。

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