G1周年記念競走展望

【三国G1北陸艇王決戦】超豪華メンバー集結!精鋭記者が“大胆V予言”

[ 2016年4月18日 05:30 ]

地元・三国で圧倒的な強さを誇る今垣光太郎
Photo By スポニチ

 昨年の秋開催から一転、今年は新緑の春まっただ中の北陸頂上決戦だ―。ボートレース三国・開設63周年記念「G1北陸艇王決戦」が、いよいよあす19日から開幕。24日までの6日間で覇を競う。地元のツートップ・今垣光太郎と中島孝平に、艇界の王者・松井繁、昨年のグランプリ覇者・山崎智也とスーパースターが集結。まだまだ役者はいるぞ。今年はノッケからノリノリの井口佳典、三国記念戦には欠かせない田中信一郎らと超濃厚な実力者たちがワンサカでシリーズの行方はどうなることやら…。今回の特集では混戦に断! ということで、過去に三国記念戦を担当してきたスポニチスタッフたちが独自目線で大胆にも優勝者を“予言”した。

 ◆森本記者迷わず今垣「地元で絶対的な強さ」
 やっぱり三国の記念戦といえば今垣の光チャンだ。地元では絶対的な強さを誇る。地元G1タイトルを七つも獲得しているところを見てもらえばそのスゴさが簡単に説明つくだろう。そこにきて自分が本紙を担当した昨年7月に開催された三国で17年ぶりとなるSG競走、オーシャンカップで地元初のビッグタイトルをモノにできなかったことは悔しかったはず。
 
 あの時の準優で川崎智幸との2着優出取りをかけた道中でのデッドヒートは鬼気迫るものがあった。持ち前の“あきらめない”気持ちをヒシヒシと感じ取れたくらい。ピット班から伝え聞いたが、レース終了後は泣きそうなくらいの表情で悔しさに堪えていたという。常にファンのために完全燃焼の走りで応えているがゆえの姿であったのだろう。
 
 今年は1月の芦屋周年記念で早くもG1優勝を決めて幸先のいいスタートを切ったが、先月の平和島SGボートレースクラシック準優で痛恨のF事故。勝負事だから仕方のないことだが、その事の大きさは自らが一番に分かっている。
 
 「冷静さを欠いていましたね。ご迷惑をおかけしました」

 まずは迷惑をかけたファンに今後、どうおわびしていくか。彼の原動力はファンの声援なのだ。ファンの声援に応えるために、どんな状況であっても目の前のレースを勝ちにいく。それが光太郎スタイル。だから、F1本持ちであっても、どうにかして勝てないかと策を講じていく。今回の地元での周年記念とくれば、なおさら奮起せずにいられない。自分を育ててくれた、たくさんのファンが待ってくれているのだ。
 
 前走の尼崎ではF後にもかかわらず、史上15人目となる全場制覇を達成して優勝をもぎ取った。「相当、落ち込んでいたところなので、尼崎での優勝は本当にうれしかったですね。三国周年記念では、さすがにスタートは行けませんが、気持ち的にはがんばりたい」
 
 優勝インタビューではまた前向きな光チャンを見ることができた。尼崎での偉業達成は今後への?光?となったはず。輝かしい栄冠を再び手にするために、今回の地元三国でG1Vというさらなる大きな光を得て、まだまだ強大な光チャンへと進化していく。

 ◆大中記者オススメ井口「ノリノリ絶好調」
 2015年住之江SGグランプリシリーズ優勝戦後のイキイキとした表情が忘れられない。

 「6コースから3着やったんで、いいレースができましたね。来年に向けていい弾みになりました」 
 
 本当に充実感が満ちあふれた気持ちの良さそうな笑顔を見せてくれた。笑う門には福来る。あの表情から、きっと2016年はいい1年になるだろうと記者は感じた。その男の名は井口。ノリノリ絶好調な彼を今回の三国周年記念覇者に1番近い存在とみる。
 
 2016年初のG1戦となった、からつ周年記念では内容十分の5コースから2着という準V劇を披露。3月の戸田周年記念では、F艇が出る恵まれの形ながら早くもG1奪取に成功し、勝負事に大切なツキをも味方につけた。その後も地元・津の男女W優勝戦でV、江戸川G2MB大賞でも優出2着と順調な航跡を描く。今回の三国周年記念前の地元ビッグ戦である津周年記念では優出2着と大いにみせた。昨年末の住之江で発した言葉通りに今年は安定感抜群の活躍を見せつける。
 
 「昨年の終わりくらいから調子はまずまず良くなってきていますよ。今まで通りに自分の仕事をしているんですが、うまくかみ合っていますね」
 
 調整自体になにか特別なコツを得たということはない。それよりもメンタル面での強化が功を奏す。

 「だいぶ大人になっていますよ(笑い)。ダメな時には無理をせず、チャンスがある時にはつかみにいく、という姿勢でやっています」 
 
 グランプリタイトル奪還という大目標に向けて1年間という長期的なスパンで戦っていくというスタイルに切り替えた。気持ちに余裕ができたことでリズム上昇にこぎつける。ここまでスタート事故もゼロで来られているところも大いに評価できる。
 
 もともと調子が乗ってきたら手の付けられないタイプ。それだけに、今後はまだまだブッ飛ばしてくれそうだ。取材する者にも気分を爽快にしてくれる力を持つレーサー。北陸の地でもスカッとさせてくれ! 

 ◆小林記者イチ押し萩原「ひょうひょうとした性格に大器の片りん」
 今月から中央競馬担当になった“馬券道”のコバヤシです。本紙ボートレースファンのみなさまには“舟券探艇断”時代には大変、お世話になりました。ボートレース担当で培った勝負勘を競馬予想に大いに役立てていきたいと思っています。
 
 三国周年記念の担当といえば、森本さんに、大中さん、そして、自分の3人を中心にやっていた印象がありますね。温泉好きの自分にとって芦原温泉の湯を楽しみながら仕事ができるという最高の環境でした。今回の特集では最後のボートレースの仕事として、2016年度“北陸艇王”を当てましょう。
 
 優勝者はズバリ!萩原秀人です。ここ6年くらい連続で当競走に出場している印象で、地元周年記念には欠かせない存在となっています。須藤博倫が優勝した2012年大会では、優出(6着)していましたね。
 
 大中さんが担当していた昨年大会では池永太がG1初優勝を達成していましたが、あのころの池永といえば、うまくモーター出しをしていて“そろそろ”の感はありました。萩原の近況といえば、なかなかの調整力を発揮しています。自分がボートレース最後の出張取材となった先月の平和島SGボートレースクラシックでも惜しくも次点で準優出を逃しました。
 
 「自分のやりたいターンがしたいので乗り心地を求めて調整していますよ。最近はまずまずうまく調整できていると思います」 
 
 そう、本人も調整力にある程度、自信を持っていることがうかがえます。それに、ひょうひょうとした性格にも大器の片りんを感じます。
 
 「地元の周年記念だからといっても、いつも通りですよ。気合を入れて行っても、落ち着いて行っても成績はそんなに変わらない。そうなら落ち着いて行った方がいいですよね」 

 どうです? このドッシリとした構え方。頼りがいがありますね。昨年は三国で2Vと地元水面はお手の物。2010年にはSG戦線で3回も優出した北陸の快攻派も“そろそろ”男を上げる時がきたように思います。地元で待望の初G1制覇となれば最高の形で2016年度大会の幕を閉じることができますね。優勝戦のある24日は京都競馬場で朗報を待ちたいものです。

 【SGさながらの豪華メンバー】
 なんと今回の三国周年記念はグランプリウイナーが11人も参戦。SGさながらの陣容だ。まさに“北陸艇王決戦”という冠名にふさわしいシリーズとなる。
 
 まず地元ファンには2010年に北陸の地に初めて黄金のヘルメットを持ち帰った中島孝平が思い浮かぶだろう。史上最多三つのグランプリタイトルをつかむ松井繁と田中信一郎に、グランプリ2Vの山崎智也と池田浩二、そして市川哲也、太田和美、辻栄蔵、吉川元浩、井口佳典、茅原悠紀とズラリ。服部幸男を除いた現役グランプリウイナーが出そろったことになった。

 【地元・中島に安定感/王者・松井GP足がかり/好調・井口いざひと暴れ】
 こちらは地力、近況リズム、水面相性を考慮しての“正攻法”のシリーズ展望コーナー。豪華メンバー集結で混戦模様。あとはモーター次第ということになってくるのだが、ボートレース三国では今月1日から新モーター&新ボート&新プロペラに変更された。今回の周年記念では3節目となる。なかなかパワー面での見極めが難しい。試運転やスタート展示での各レーサーの動きには要チェックだ。
 
 V候補筆頭グループに位置するのは地元の中島孝平、艇界実績NO.1の松井繁、近況リズムがバリバリの井口佳典とみる。グランプリV実績のある地元のニューリーダー・中島の三国での安定感ある走りはつとに有名。今年も年末のベスト18入りに向けて地元周年記念を有効に利用する。今年初のG1戦である尼崎周年記念を制して早くもグランプリ出場への足がかりとする松井繁。井口も3月に戸田周年記念を制して弾みがつく。勢いが乗ってきたら手の付けられない活躍をするタイプ。三国でもひと暴れだ。
 
 三国G1戦V歴のある真の三国巧者である地元の雄・今垣光太郎、田中信一郎、太田和美らも、もちろんV候補の一角をなす。特に昨年7月の当地SGオーシャンカップ準Vの実績のある田中は当地記念戦で優出ラッシュの活躍だ。2013年大会以来、3年ぶりのタイトル奪還がかかる。今垣は先月の平和島SGでの準優Fで踏み込み面での問題をうまくクリアできるかどうかが浮沈のカギを握りそうだ。
 
 山崎智也、池田浩二、瓜生正義、吉川元浩、菊地孝平ら名うてのSGタイトルホルダーに、峰竜太、篠崎元志、桐生順平ら躍進著しいニュージェネレーションレーサーらも流れひとつで頭角を現す。当地で3月のG3戦で優勝する原田幸哉や、赤坂俊輔、久田敏之、長田頼宗ら三国との相性のいい面々も侮れない。
 
 そして、今大会は今垣と中島以外に、3人と少数ながら地元精鋭レーサーも参戦する。SGタイトルを持つ石田政吾、地元G1戦で善戦する武田光史、近況リズムいい攻めハダ・萩原秀人らは地の利を生かしたい。

 【初日ドリーム戦展望 “総大将”今垣先マイ譲らん】
 積極的なコース取りに出るタイプが見当たらず進入で大きな乱れはなさそうだ。地元の総大将・今垣が勝手知ったる水面で他艇に先マイを譲らない。点増しの一戦だけに白カポック戦のアドバンテージを大いに有効利用するだけ。
 
 センターから巧腕を発揮できそうな太田が対抗格。理想は捲り差しだろう。篠崎は真っ先に切れ込みたいところ。池田はカド戦に持ち込んで自在に。桐生と峰は極上のターンスピードを生かしてどこまで追い上げるか。

 【2日目ドリーム戦展望 インから山崎素早く先マイ】
 進入は枠なりで落ち着きそうだ。ここぞのスタートはシャープな1枠・山崎がインから素早く先マイ態勢に持ち込む。昨年のグランプリ男が北陸の地で、その存在感を改めてアピールする。
 
 2コースから必殺の鋭角差しを放ってくるのは王者・松井だ。山崎が1Mで少しでも失敗するようなことがあれば、迷わずズブリと切れ込んで先頭に躍り出る。中島は地元の意地を見せたい。茅原は4カドから果敢攻め。瓜生は茅原頼みか。笠原も展開次第に。

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