阪神 延長不敗神話継続や 今季最長5時間7分のシーソーゲーム 岡田監督は「勝てなかった」苦言も

[ 2023年6月6日 05:15 ]

交流戦   阪神7―7ロッテ ( 2023年6月5日    甲子園 )

<神・ロ>引き分けに終わり、引き揚げる岡田監督(左)ら(撮影・北條 貴史)
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 阪神は5日、ロッテと今季のプロ野球最長となる5時間7分の死闘の末、7―7で引き分けた。打撃戦で逆転に次ぐ逆転。最後は阪神が8回に追いついた形だが、岡田彰布監督(65)は試合後、勝ちきれなかったことについて苦言を呈し、笑顔はなかった。それでも、セ・リーグ2位のDeNAが西武に敗れたため、ゲーム差は5・5に広げた。今季6度目の延長戦で4勝2分けと不敗神話は継続。さらなる加速につなげる。

 今季最長の5時間7分の死闘を終え、岡田監督の表情にも、さすがに疲労の色が垣間見えた。今季最多の8投手をつぎ込み、打線は5回に一度逆転。再び勝ち越されながらも8回に追いつく粘りも見せた。チームは今季の延長戦を4勝2分けとし、不敗神話も継続。敗れた2位・DeNAとのゲーム差も半歩広がる価値ある引き分けだ。ただ、試合後に報道陣から「“勝てなかった”か“負けなかった”か」と試合への評価を問われた指揮官は、はっきり言った。

 「勝てなかった、やろ」

 その要因は、今季最多の「9」を数えた投手陣の四球だろう。プロ2勝目を狙った桐敷は5回までに4四球。序盤こそピンチをしのいでいたが、リズムを取り戻せず3点リードの5回に4安打を集められて4失点を喫した。そして、試合の大きな分岐点となったのは2点リードで迎えた7回。3番手の浜地は無死一塁から中村奨を歩かせ、1死から山口に左中間へ逆転3ランを浴びた。4番手で再昇格してすぐに出番が巡ってきた西純も課題克服とはいかず、1回2/3で3四球。失点こそしなかったが、テンポ良くアウトを積み重ねることはできなかった。

 試合終盤からはベンチで終始、厳しい表情を浮かべていた監督は「(投手陣の四球が)多いなぁ。ほとんど点になっとるやんな。結局、ビッグイニングなるからの。そういうことやん」と苦言。痛恨の被弾となった浜地にも「あそこで一番あかんことをやるわけやからな。フォアボールからなんかな、あれも」と手厳しかった。

 それでも、種市、佐々木朗、小島と強力な先発3枚をぶつけてきたロッテ相手に2勝1分け。この日の“議題”に挙がった四球に関しても、9回の岩崎以降の4投手は1個にとどめた。鉄壁の無失点リレーで耐え、勝ち越しを許さなかった。

 9連戦の3戦目を終え、きょう6日は仙台への当日移動で楽天戦とハードな日程。総動員となった投手陣の疲れも心配だが、監督は鼓舞するように言葉をつないだ。「そら頑張らなしゃあないやろ。そら投げるのが仕事やから」。チームの地力、底力を見せる。(遠藤 礼)

 ≪リリーフ陣コメント≫ ▼島本(2番手で1回1/3を無失点)久々の登板だったが、これ以上追加点を取られてはいけない状況だったので、何とか切り抜けることができた。

 ▼西純(4番手で1回2/3を無失点も3四球)内容は良くなかったけど、結果が大事。次回は内容も結果も求めて、また準備したい。

 ▼岩崎(5番手で1回を3者凡退)0点に抑えることができて良かったです。

 ▼加治屋(6番手で1回無失点)みんな粘って投げ続けてくれていたし、何とかゼロで戻ってくることができたのは良かった。

 ≪データ≫ ○…5日の阪神―ロッテ(甲子園)は試合時間5時間7分で、今季のプロ野球で最長試合。4月30日の西武―楽天戦(ベルーナD)の4時間56分を上回った。なお、交流戦で5時間を超える熱戦は16年6月7日のオリックス対中日戦(京セラD=5時間13分)以来7年ぶり。

 ○…今季の阪神は延長戦に4勝2分け。延長戦に開幕から6試合で無敗は、75年(2勝4分け)以来48年ぶりとなった。

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